litterae_vol.73
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り、クマに関心を寄せる人の多さに驚きました。資金を活用して、クマの知識を一般の人に伝える普及啓発活動もしています」と語る。研究者や行政職員らでつくる「ヒグマの会」の会長も務める坪田教授は、クマの科学的な知見をもとに行政のヒグマ対策に関して提言をしている。北海道が定める「北海道ヒグマ管理計画」の運用について、「管理計画の実行性がまだ足りていないと感じています。地域ごとに野生動物の専門対策員を配置して、地域住民に対してヒグマの生態に関する正しい知識や効果的な防除方法の普及を総合的に担えるような人がいれば、できることはたくさんあると思います」と話す。人とクマが共存するために、できることは何か。坪田教授は、「クマの保全にとっても、人とクマの適切な関係を構築するためにも、クマの科学的な知見を増やし、広く伝えることは重要です。人とクマが共に生きられる未来のために、歩みを止めず研究を続けていきたいと思います」と思いを語る。人とクマの共存のために北大で会えるクマ09  Litterae Populi Vol.73 札幌キャンパスにある北海道大学総合博物館では、たくさんのクマに出会える。はく製や頭骨、クマが描かれた薬のパッケージなど様々な展示に加え、通路のちょっとしたスペースにもはく製が置かれていて「こんなところにも!」と驚かれるかもしれない。ミュージアムショップ「ぽとろ」に並ぶグッズにもクマの姿がちらほら。中にはシルエット姿のクマもいる。2024年10月10日(木)〜11月30日(土)には「ホッキョクグマ展」を開催。骨格標本や毛皮などが展示される予定だ。 札幌キャンパスから少し離れた北海道大学植物園にも北海道大学総合博物館(札幌市北区北10西8)北海道大学植物園(札幌市中央区北3西8)開館・開園時間など詳しくは各ウェブサイト参照。博物館がある。そこに展示されているクマのはく製は大迫力。北大を訪れた際は、クマ探しをしてみてはいかが。北海道大学総合博物館北海道大学植物園

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