2010年某月、地下鉄「すすきの駅」に降り立った一人の男は、そのまま「ポールタウン」を北上し、ウインドーに目をやりながら「大通駅」にたどり着く。周りに目をやると、タウン街でもウォーキングシューズを履いている人が多いのに気づく。近頃は、2年前に北海道で初めて開催された「洞爺湖サミット」の影響を受け、「環境保護」や「エコ」に敏感になり、地球と自分の健康を気遣って「ウォーキング」が一大ブームとなっている。近年のガソリンのバカ高さも後押ししているが、市民一人ひとりが「1人1日1キログラムCo2削減」運動を実践しているのだ。
さて、男の行く手は、大通公園の散策か?はては、○井さんか○越でお買い物?…と思いきや、さらにサラに地下空間を潜行し「札幌駅」へまっすぐ進む!?
それというのも、最近、大通地区と札幌駅周辺地区の地下歩道が完成したからだ。(※)これからは、四季を通じて安全で快適な歩行空間となる。地下歩道の駅北口の出口から地上に出ると、身長180cmの短めの脚で231歩、信号待ちしても2分弱で北大の最南端に達する。この場所には以前外壁があって閉鎖的な大学の象徴とされていたが、「北大の端っこ」でありながら、「中心部に一番近い」という立地条件を生かし、今では北大のアンテナショップになっている。その先に広がるのはキャンパスの緑。たくさんの市民が散策やスケッチを楽しんでいる。ふと、目を賑やかな方向に向けると、キャンパスの街寄りの隅っこにエプロン姿の学生風のスタッフがお客さんを見送っている。おっ、Cafeができたのか!「おばあちゃん、またお越しくださいね。お元気で。」「珈琲おいしかったわよ。ありがとうね。また来るからね。あなたも一生懸命勉強してね。」「はい、ありがとうございます。」(笑顔) |