外国語学習のすすめ 写真

 皆さんの中には「英語ができるようになりたいとは思うけれども、なかなかそう簡単にはいかない」と実感している人が多いのではないかと思います。外国語学習には何かうまい方法があるのでしょうか。そこで以下では、外国語を身につけるには何が必要なのかということを考えてみたいと思います。
 結論を先に言うと、一番重要なことは「継続すること」です。細かなことでは、辞書の選び方や使い方、また4つの技能(話す、聞く、書く、読む)の学習それぞれに重要なポイントはいくつかありますが、それ以前に肝心なことは、学習を継続することです。これは、一つの外国語が使えるようになるには長い時間が必要だからです。一説によると、英語の場合は2000時間とも言われています。これは中学と高校における英語の総授業時間数の倍以上になります。
 しかし、「継続は力なり」とわかってはいても、長続きしないというのが語学学習者の最大の悩みです。では、長続きさせるためにはどうしたらいいでしょうか。一番いいのは、外国語の学習を楽しい、面白いと思えるようになることです。もちろん、やり続けようという強い意志があればいいのですが、語学学習は長い道のりですので、その過程が辛く苦しいものだったら、よほど意志の強い人でない限り、途中で挫折してしまいます。ですから、楽しむことが必要なのです。そして、何を楽しい、面白いと思うかは人によって違います。私の場合は、最初から英語に興味があり、英語がだんだんわかるようになるのが楽しかったものです。また、海外旅行や留学などで実際にネイティブと話をすることで、英語を使うことの楽しさを実感したという人もいます。皆さんも、どうしたら語学学習が楽しくなるかを実際にいろいろ試して、自分に合った方法を見つけてください。
 また、時には自分の力の伸びを実感することも大事です。大学生のころ、初めてペーパーバックを最後まで読み通したときには、うれしかったのと同時に力が付いたことを実感しましたし、自信にもなりました。外国語の検定試験を受けて、自分の力の伸びを見るのもいいでしょう。北大では1年生全員にTOEFLーITPの受験を義務付けていますので、例えば1年後にもう一度受けてみるといいと思います。スコアが上がれば、当然うれしいですし、もっとがんばろうという励みにもなります。ちなみに、今年のTOEFLーITPの平均点は468.1点でした。
 一方、自分は外国語関係の道に進むわけではないから、外国語は特に勉強しなくてもいいと思っている人もいると思います。ところが、平成18年度にキャリアセンターが北大の卒業生に対して行ったアンケート調査では、「学部時代にもっと熱心に取り組んでおけばよかった授業」として、学部専門の講義科目やゼミなど9科目中、外国語がダントツで1位になっています。就職してから後悔している人が多いのです。また、「外国語で書いたり話したりする力」は「現在の仕事上、重要な能力」としては順位は低いのですが、「仕事をする上で不足していると思う能力」としては、他の20の様々な能力を押さえて、ここでも1位になっています(「リーダーシップ」、「交渉力」などが次に続きます)。これは、どんな職業に就いても英語などの外国語の能力が必要になる場面が多々あるということではないかと思います。外国語の学習は、就職してから後悔しないように、時間に余裕のある今のうちに自分なりの到達目標を立てて、毎日少しずつでも続けていくことが大事だということです。皆さんの奮闘に期待します。





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