「ピアサポート」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?「仲間同士の助け合い」という意味ですが、近年、全国の大学では、在学生(先輩)が新入生(後輩)を仲間として援助し、支える活動のことを「ピアサポート」と称して活発に取り組んでいます。通常、援助するための技法の訓練を受けた学生が組織的に援助活動を行うことを指しているため、本学では、まだそこまでの体制は整っていませんが、既に活動の種子は芽生えているので、そういった取組みをシリーズで紹介します。
頼んます先輩〜ピアサポートの取組状況
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内定者と語る会
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後輩就活生に
アドバイスする武内さん
第3回就職支援編

内定者プロジェクト2008について
武内大隼

  内定者プロジェクト2008とは、就職先が決定した北海道大学の学部4年生、修士2年生(以降、内定者)の有志による就職活動サポート団体で、北海道大学キャリアセンターと協力して活動しています。
  内定者による後輩就活生へのサポート活動は2006年度から始まりました。私自身も昨年度の内定者主催の就活サポート企画に参加し、主催者の方を始めとした先輩方、キャリアセンターの方々等…多くの人にお世話になって就職活動を終えることができました。そして、「自分たちがお世話になった分を次の後輩たちに何かをしてあげよう!」そんな思いで集まったメンバーで内定者プロジェクト2008が結成され、活動を行っています。
  最近、『職』についての話題をよく耳にしますが、北大生の就職活動も決して楽ではありません。北大生が東京本社の大手企業を中心に就職活動をするには
1.本州に比べて参加できる就職活動イベントが少ない
2.地理的、経済的に都心での説明会への参加や、OB訪問をするには負担が大きい
というデメリットが少なからずあります。こういった不利な点を克服するために本年度は以下に述べる3つのサポート活動を行いました。
  1つ目は内定者による就活体験談をまとめた冊子『内定者が語る。』の発行です。この冊子は内定者が自身の内定業界の『社会での役割』や『就職活動の流れ』についての説明や、就活体験談をまとめた冊子です。今年度は昨年度の冊子から『内定者が読んだ本』、『就職活動でやってよかったこと』などのページを新たに作成し、一層の充実を図りました。
  2つ目は『内定者と語る会2008』というイベントの実施です。11月26・27日、クラーク会館に29業界、延べ100名を超える内定者が集いました。内定者が業界ごとのブースに分かれて、就活生に業界の簡単な説明、今の時期にやっておくべきこと等を話す『業界ブース』の他にも、『何でも相談ブース』という業界を超えた相談や質問に個別に対応するスペースや、『研究・技術職特化ブース』という理系院生を主なターゲットとしたブースも設置しました。参加した就活生は延べ250名で「企業の方に聞くより、どんどん質問ができて役に立ちました」等のうれしい声をいただきました。また内定者からも「就活生にとってはもちろんですが、内定者も自分の内定先について勉強したり、もっと知るべきだと反省したりする、とてもいい機会でした。」と評価をいただき、非常に有意義な会になったと思っています。
  3つ目は今年初めての取り組みで、「内定者訪問システム」の企画です。上述の通り、北海道という地理的な問題から東京での企業説明会の参加やOB訪問をするには経済的な負担が大きくなります。そこで、OB訪問の内定者版ということで「内定者訪問システム」を企画いたしました。内定者は立場上、企業の詳細情報など答えられないこともありますが、大学の一つ上の先輩であり、企業の人事担当が答えられないような質問にも対応することができます。今年度は内定者訪問実績50名を目標にしています。
 
  スーツに身を包み、スケジュール手帳や経済新聞を持って飛行機に…。私はそういった就職活動は大学生活の中で一番成長できる時間だと感じています。「自分がどういう人間か」、「これから人生で何をしていきたいのか」など、社会と自分について考えることは今までにはなく、非常に貴重な時間です。また、試験勉強のように共通の答えはないので、納得するまで考え・行動することが大切になります。考えるために必要な情報の提供が現在の内定者活動のメインですが、内定者という立場ができる活動はまだまだあると思っています。
  「来年自分もこの会の内定者側としてみんなの役に立ちたいです」
こういった声をくれる北大生によって、来年度以降の内定者企画が発展していくと信じています。




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