北大に存在する各種クラブ・サークルの中で,最もマニアックな部といえば,ボブスレー部かもしれない。ボプスレー部の部員以外に,実際にボプスレーに乗ったことのある人は皆無であると思うので,簡単に競技の説明をしよう。まず,ボプスレーとはドイツ語で「橇(そり)」を意味し,我々はこの橇に乗って氷のコースを時速約100kmで滑走しタイムを競う。種目は2人乗りと4人乗りがあり,競技のポイントとしては,スタート時のパワー+スピード(橇の重さは約300kgで,これをいかにトップスピードに持っていくかが重要である)と滑走中の微妙なハンドル操作である。
18歳以上の男子に限定されている,危険と隣り合わせのスポーツではあるが,スタート前の緊張感と,滑走中のスピード感を一度経験すると,やみつきになってしまう。ただ,ボブスレーのシーズンは1月の1か月のみで思うように滑走できないが,我々は11か月に及ぶ精神と肉体の修業の成果を,わずかな期間に爆発させるのである。
現在部員は13名。ほとんど勧誘もしていないにもかかわらず入部してくるのは個性派の極みで,北大の中で異彩を放っている。競技の性質からか,部員の性格は一発屋・屈折・ねじれ・アウトロー的なものが多い。練習は週に4日,夏は筋トレを中心に体づくりに励む。そして1月,鬼のような合宿に突入するのである。
昨年は全日本インカレで団体総合4位,チーム最高9位といずれも入賞を果たせず,レセプション会場で絶叫したが,今年は強力な新人も迎えて,新人戦優勝と団体での入賞を狙っている。来年は長野でオリンピックが開かれるので,長野に最新のコースが完成し,より高いレベルでの練習が可能になった。「もっともオリンピックに近い競技」と言われてはや30年。来年こそは奇跡を起こすべく,我々は今日もトレセンで運を磨いている…。
なお現在女子マネージャー及び女子リュージュ部員を募集中(リュージュは女子でも乗れる比較的安全な種目) |