◇学務部が1995年11月に実施した学生生活実態調査アンケートの結果がまとまった。 |
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『学生生活実態調査1996年版』と『とっても北大生’96』である。『学生生活実態調査1996年版』は統計・図表・解説・自由記述欄からなり,『とっても北大生’96』は調査の概要をカラーのイラストで示してある。
調査対象は在籍学生・院生の約20%(学生2,080人,MC486人,DC259人),回収率はいずれもほぼ70%だった。 |
◇学生の出身地−関東・近畿出身者が増加した− |
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学生の出身地は,札幌(24.3%),札幌以外の道内(20.8%),東北(6.0%),関東(20.0%),中部(8.3%),北陸(3.7%),近畿(11.2%),中国・四国・九州・沖縄(5.8%)である。1968年には札幌は26.8%,札幌以外の道内が37.9%を占めており,低減傾向は明瞭である。1968年には関東は12.9%,近畿は4.9%であったからこの変化は小さくはない。 |
◇生活貫−平均収入は11万,貯金もしてる− |
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学生の平均月収は110,147円で,その内訳は66.5%が仕送り,7.9%が奨学金,21.8%がアルバイト,その他が3.4%である。親の平均年収は897万円で,1千万円を越える親は18.4%いるが,600万円に未たない親は31.4%もいる。院生の平均月収は136,327円で,その内訳は40.1%が仕送り,35.5%が奨学全,18.3%がアルバイト,その他が6.1%で,さすがに院生ともなると仕送りに頼ることができない様子と奨学金の重要性をかいま見ることができる。『とっても北大生』には,「6万でOK」という恵迪寮のY君と,「12万あればなんとか」というマンション暮らしのHさんが登場している。
生活の実感は,「苦しい」が24%,「大変苦しい」が5%,「普通」が56%,「楽である」が15%となっている。安い卵や肉の情報をゼミ室にもたらす学生がいるが,『とっても北大生』には「北大生おすすめ」のA商店(北16条西4丁目)が載っている(僕もここで80円のミニトマトを買ったことがある!)。
平均支出(月額)の内訳は,住居費38.1%,食費20.7%,勉学費4.9%,教養娯楽費11.0%,被服費4.6%,交通費2.7%,雑費7.0%,返済金1.8%,貯金9.2%である。住居費は47,160円で前回調査(1993年)よりも15,000円(46%)も増加しており,随分と圧迫しているのがわかる。貯金のない僕には貯金をする学生がいるのは意外であった。下の表は前回調査との比較である。 |
◇自由記述欄−大学にたいする不満はいっばい− |
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「アンケートをやってどうする」にはじまり,院生指導・講義内容・貧弱で古い実験設備・窓口の対応・図書館開館時間・食堂の混雑など,学生・院生の大学にたいする批判と注文は枚挙にいとまがない。外観よりはもっと学生生活に直結する面の改善を求める意見が多かった。自由記述欄には学年・院生の生の声をほぼそのまま載せた。学生よりは教職貝に読んでほしい,僕はそう願っている。(教育学部教授) |