アメフト日本一になって

  アメリカンフットボール部

  主 将  緒 方 邦 康


 日本一。それは,我々北梅道大学アメリカンフットボール部“Big Green”が一年間目標に掲げてきたことである。今季の日本一は,9年ぶり2回目のことで,過去何年もの間,届きそうで届かないという状況が続いていた。
 日本一というと,「京大とか日大に勝ったの?」と思われがちだが,実際は,日本一は日本一でも関東,関西を除く地域の日本一である。現在日本の学生リーグは大きく2つに分かれていて,1つは我々のいる地区対抗王座と呼ばれる,北海道,東北,中国,四国,九州で日本一を決めるもので,もう一つは関東,関西でNo.1を決め,社会人No.1と対戦して日本一を決めるものがある。現状では,我々は地区対抗王座で優勝するのが最高だが,何年か先には,関東,関西と戦い,日本一を決めることが実現されるという話もある。
 1年間を振り返ってみると,なかなか困難の多い1年問だった。昨季,5年ぶりに北海道で優勝したが,パインボール(北海道No.1 vs 東北No.1)で東北大学に僅差で敗れた。そのため冬の間,パインポールはもちろん,地区対抗王座優勝を目標に掲げて取り組んできた。しかし春は,冬の間に立てたスケジュールがシステム的にも能力的にも思うようにはかどらず,怪我人にも悩まされた。自分達のやりたいフットボールができないまま,このままでは地区対抗王座優勝はもとより,北海道でも勝てないのではないかという不安で一杯だった。しかし,そんな自分達の現状に,上級生だけでなく,下級生を含むチーム全員が危機感を持ち,もっとうまくなることを考えて夏の練習で実践できた。結局,秋のシーズンに入ってようやくチームも軌道にのり,試合を追うごとに強くなっていき,地区対抗王座優勝を手にすることができた。
 今季の勝因を考えてみると,やはり,3年目を中心に下級生のがんばりが大きかったと思う。もともと,4年目の少ないチームであったため,チームが勝つも負けるも下級生次第だった。その期待に応えてくれて,全員で日本一を勝ち取ることができたと思う。
 今季,日本の学生でアメフト日本一の肩書きでシーズンを終えたチームは,北海道大学と京都大学の2チームだけである。こんなうれしいこと,こんな名誉なこと,こんなすばらしいことはない。私自身も,4年間をアメフトに棒げたかいがあった。心の底から,喜ぶことができた。そして今季のチームに,今まで分からなかった勝つ喜びを残すことができた。その喜びを毎年毎年味わえるよう,これからもがんばってほしい。
(おがた くにやす,工学部電子工学科4年)


日本一になった“Big Green”

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