本学名誉教授池上二良(いけがみじろう)氏が常置国際アルタイ学会(Permanent
International Altaistic Conference,略称PIAC)より2002年度金メダル(PIAC Gold
Medal,正式名称Indiana University Prize for Altaic Studies)を授与されました。この賞は1963年以来毎年,アルタイ学(チュルク・モンゴル・ツングース系民族の言語・文化・歴史等)の分野で顕著な貢献をした研究者1名に対して,同学会事務局の置かれている米国インディアナ大学から贈られる国際的に権威ある賞で,日本人としては3人目の受賞です。同氏の多年にわたる,ウイルタ語をはじめとするツングース語研究が高く評価されたものです。
同氏は1920年長野県出生,東京帝国大学文学部言語学科を卒業後,群馬大学助教授を経て,1964年北海道大学文学部教授(言語学講座)に就任されました。1984年の停年退官まで学部及び大学院の指導に当たられ,多くの後進を育成されました。本学退官後は札幌大学女子短期大学部教授を1991年まで務められ,傘寿を越えられた現在も意欲的に研究に取り組まれています。
近年は特にこれまでの業績を著書にまとめるお仕事を着実に進められており,『ウイルタ語辞典』(北海道大学図書刊行会,1997),『満洲語研究』(汲古書院,1999),『ツングース語研究』(同,2001),『ツングース・満洲諸語資料訳解』(北海道大学図書刊行会,2002)を刊行されています。
(文学研究科・文学部)
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