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三菱重工業(株)との包括連携実施協定を締結

 1月23日,本学と三菱重工業(株)は,技術(研究)交流及び人材育成による,相互の協力が可能なすべての分野において,産学間の連携を通じた科学と技術の向上と研究成果の社会活用を強化することを目的とした「連携実施協定」を締結しました。
 包括連携は,昨年4月1日に締結した(株)日立製作所に続き2例目となっています。
 調印式は,三菱重工業(株)本社ビルで行われ,双方の関係者と多数の報道陣が見守る中,中村睦男総長と柘植綾夫三菱重工業椛纒\取締役常務取締役技術本部長により協定書へのサインと交換が行われました。
 その後の記者発表では,協定による具体的な実施内容や今後のビジネス展開などについて約2時間近く質問が集まりました。
 実施内容については,三菱重工業(株)側から,既に昨年11月から「北海道森林事業活性化」実現に向け,本学北方生物圏フィールド科学センターと連携活動を行っており,その一環として「木質系バイオマスエネルギー利用可能性」への検討に着手し,森林事業活性化に向けた北海道発のビジネスモデルを構築したいとの説明がありました。また,今後は,基礎研究によって生み出された,本学が保有している膨大な研究成果と三菱重工業(株)が現在所有する陸域・海域・空域・宇宙に関する様々な市場に密着した技術を有機的に連携させ,競争優位な新製品開発の創出を目指したいとの説明がありました。
 中村総長から,北海道大学は,フィールドを利用した研究では,世界水準の実績を誇り,特に演習林(研究林)を利用した森林バイオマスの研究については,優れた研究者が集結していると同時に,琵琶湖の面積に相当する(東京ドーム1万4千個に相当する)広大な演習林を有していることなど,恵まれた研究環境であることによるものであり,今回の三菱重工業鰍ニの協定により,この研究を成果に発展させ,エネルギー,地球温暖化対策などの人類の平和に大きく寄与するものと確信していますとの説明がありました。
 また長田副学長から,第1次産業に密接に関連する研究分野については,先端科学技術の蚊帳の外にあった感があるが,これからは世界的な食糧戦略,新エネルギー対策など,全学的なレベルで発展して行きたいとの抱負が述べられました。
 このたびの包括連携により,両者の実用可能な力を組み合わせ,世界に先駆けた高度な技術の開発・実用化の具体化と,教育・研究の一層の推進に大きな期待が寄せられるものです。

(研究協力部研究協力課)


記者発表(右から大木主幹,柘植常務取締役,中村総長,長田副学長,高橋創成科学研究機構研究企画室長) 説明する大木主幹
記者発表(右から大木主幹,柘植常務取締役,中村総長,長田副学長,高橋創成科学研究機構研究企画室長)
説明する大木主幹
記者からの質問に答える中村総長 記者からの質問に答える長田副学長
記者からの質問に答える中村総長
記者からの質問に答える長田副学長

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