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山科俊郎名誉教授に北海道科学技術賞

山科俊郎名誉教授に北海道科学技術賞 山科俊郎名誉教授は平成16年3月30日,「スパイクタイヤ車粉塵による環境汚染の実態調査並びに改善への貢献」により,北海道科学技術賞を受賞されました。
 山科先生は,昭和34年3月北海道大学大学院工学研究科修士課程修了後,科学技術庁金属材料技術研究所,米国ブラウン大学を経て,昭和38年4月に本学工学部助教授に採用され,昭和47年には教授として,主に真空工学,表面物性工学,核融合炉工学等の研究を続けてこられました。現在は,中部大学客員教授を勤めておられます。
 先生は本来の研究のかたわら,スパイクタイヤの急速な増加に伴う車粉公害の社会問題化にいち早く着目し,昭和56年には,札幌市内の車粉の分布や環境汚染の実態解明に着手し,専門とする研究で使用している数多くのミクロ物理化学分析の技術を駆使して,札幌市内の浮遊粉塵の水平・垂直分布を定量的に明らかにしました。さらに,この調査結果を学会や一般市民に公開するなど,粉塵汚染への警鐘を鳴らすとともに,一方でスタッドレスタイヤの性能試験とともにその普及活動に努めました。
 先生のこのような活動が,のちのスパイクタイヤの法的規制へとつながり,車粉公害の解消と道民生活の安全向上に多大の貢献をしました。北海道に白い雪の美しい環境がよみがえっている事実は,北海道科学技術賞の受賞にふさわしい先生の輝かしい御功績であります。

(工学研究科・工学部)


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