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「北方四島周辺における生態系の調査と保全」が環境大臣賞・優秀賞を受賞

 北海道大学の研究者が中心となって活動しているNPO「北の海の動物センター」(代表大泰司紀之北大名誉教授)が,本年6月9日環境大臣賞・優秀賞を受賞しました。この賞は財団法人日立環境財団と日刊工業新聞社が共催で創設した賞であり,今回は第31回目に当たります。
 審査概評で審査委員長である東大名誉教授不破敬一郎氏は「北海道大学の有志を中心とするこの団体は,北方四島の豊かな自然を6度にわたる調査で明らかにし,21世紀の環境保全のあるべき姿に対して問題提起した業績は大きい。」と述べました。
 授賞式には代表の大泰司名誉教授,小林万里日本学術振興会研究員,近藤誠司農学研究科教授が出席し,小池百合子環境大臣から賞状・楯などを受け取りました。受賞者代表スピーチの中で,近藤教授は「ロシアの実行支配の下で北方四島の自然は豊かな自然生態系が保全・回復しており,120年以上前の開拓が始まった時点の北海道の自然をうかがわせるものがある。本道の開発は,開拓史が産業面で,札幌農学校が学問分野で,それぞれ礎を築き大きく発展してきたが,本道の生態系の現況はこれらが結果的にうまく連携していなかったように思われる。もし,北方四島という一種のタイムカプセルを開けるならば,今度こそ札幌農学校の学問的伝統を産官とうまく組み合わせ,一次産業を中心とするヒトと自然が共生する持続的・循環型の生態系を構築していくべきであろう」と述べました。
環境大臣賞授賞式(左から,小林万里研究員,大泰司紀之名誉教授,小池百合子環境大臣,近藤誠司農学研究科教授)
環境大臣賞授賞式
(左から,小林万里研究員,大泰司紀之名誉教授,小池百合子環境大臣,近藤誠司農学研究科教授)
(農学研究科・農学部)

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