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スラブ研究センターで駐日カザフスタン大使講演会を開催

 ボラト・ヌルガリエフ駐日カザフスタン大使の講演会が,平成16年6月17日にスラブ研究センターで開かれました。ヌルガリエフ大使はソ連外務省・大使館勤務を経て,ソ連崩壊後はカザフスタンの外務次官,駐米大使,駐韓大使など要職を歴任し,昨年12月に日本に着任されました。着任後既に数度の講演会や各界関係者との面談をこなし,両国関係の強化に積極的に取り組まれていますが,今回は大学での初めての講演のために,中央アジア研究の拠点である本センターを訪問されたものです。
 「カザフスタン共和国の対外政策の主な方向」と題する講演では,カザフスタンと世界主要国の関係を論じ,同国ができるだけ多くの国々と友好的な関係を保とうとしていることを強調されました。ナザルバエフ大統領の提唱によりアジアの安全保障を話し合う場として設立された「アジア相互信頼醸成措置会議(CICA)」について特に詳しく紹介され,またカザフスタンの核兵器廃棄や外資誘致にも触れられました。中央アジアの地域大国の一つとして同国が積極的な対外政策を展開している様子が聴衆に伝わったと思われます。他方,日本・カザフスタン関係のポテンシャルは多方面にわたって存在するのにまだ活かされていない,と述べられたのも印象的でした。
 講演会には本学の教員・学生だけでなく北海道開発局,JICAなどの関係者や一般市民も参加し,盛況でした。出席者からは,対米・対露外交の優先度,上海協力機構やCISに対する見方,カザフスタン外交の組織的基盤などについて質問・コメントが出され,活発な討論が繰り広げられました。
 また大使は,講演会に先立って中村副学長と懇談されたほか,札幌滞在中に北海道庁,札幌市役所,経済団体などを訪問し,北海道とカザフスタンの交流について話し合われました。
カザフスタン大使講演風景
カザフスタン大使講演風景
(スラブ研究センター)

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