部局ニュース

「みどりの日」植物園無料開放
−台風18号の被害を乗り越えて−

 4月29日(金)に北方生物圏フィールド科学センター植物園が開園しました。この日は「みどりの日」の趣旨に沿って,自然に親しむとともに自然を大切にする心をはぐくむ行事の一環として,毎年無料開園していますが,昨年9月の台風18号以降,庭園部を閉園したまま冬を迎え,およそ半年振りの公開になりました。
 若干肌寒い一日でしたが,雨の予報は外れ,例年よりも長い閉園期間に植物園の復旧を心待ちにしていた市民の皆さん約1,900人が訪れました。
 今年は雪が多く,雪どけが遅れたために,例年であれば開園前に見ごろが終わるミズバショウが最盛期を迎えていて,湿生植物園に足を止められる方が多く見受けられました。これから春植物の最盛期を迎えたあと,ライラックや高山植物などの美しい季節となります。
 植物園のスタッフは台風被害以降,例年通りに開園することを目標に,被害調査と資料収集を並行しつつ必死の復旧作業にあたってきました。倒れたヒッコリーの根の期間限定展示や被害の状態のまま残す「自然林」を始めとする園内の安全確保,被害状況・復旧活動の写真パネル準備など,例年以上に時間をかけて開園準備を行ったこともあり,多くの方に喜んでいただけたようです。
 倒木は撤去されましたが,以前の植物園の景観に戻るには数十年が必要となります。四季の移り変わりだけでなく,長い時間をかけて育成・管理を継続してゆく植物園のこれからの変化を観察していただきたいと思います。
草本分科園で早春の植物を観察する 被害を受けたハルニレと宮部金吾記念館
草本分科園で早春の植物を観察する 被害を受けたハルニレと宮部金吾記念館
芝生でくつろぐ入園者
芝生でくつろぐ入園者
(北方生物圏フィールド科学センター)

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