平成18年度科学技術振興調整費事業「女性研究者支援モデルプラン」に採択された本学提案「輝け,女性研究者!活(い)かす・育てる・支えるプラン
in 北大」の開始,およびその事業を柱とするさまざまな女性研究者支援策の推進・展開の中心となる女性研究者支援室の開設を記念したシンポジウムが去る7月25日(火),学術交流会館にて開催されました。「女性研究者を活かし,育て,支えるために北大は何ができるか?」と題したシンポジウムは新聞各紙,テレビでも取り上げられ,100名を超す来場者でにぎわいました。
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爽やかな北大グリーンで描かれた女性研究者支援室 FResHUのロゴ |
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主催者あいさつとして中村総長より,全国平均を下回る女性研究者比率にとどまっている本学の現状と,振興調整費委託事業を契機に,中期目標にも掲げたポジティブアクションを含む総合的施策により女性研究者の活躍推進を図っていく姿勢が明確に打ち出されました。男女共同参画の推進は行政機関や一般社会においても大きく推進されようとしていますが,海外出張と重なりご出席いただけなかった高橋はるみ北海道知事からの本学女性研究者支援へのエールが佐藤忠明参事(北海道環境生活部生活局・男女平等参画)により代読されました。続いて,文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課・田中正朗課長より,今回の女性研究者支援モデルプランが振興調整費新規事業として創設された経緯および本学提案に期待することなどが述べられました。
支援室長を務める有賀早苗・男女共同参画担当副理事より振興調整費による支援事業の概要と女性研究者支援室の役割,果たすべき機能・方向性について紹介があった後,特別講演では,国立高等専門学校機構理事で本学大学院理学研究院客員教授でもある河村潤子先生が「北海道から日本へ,世界へ,女性研究者の声を」と題してお話しくださいました。本年3月まで文部科学省科学技術・学術政策局で推進していらっしゃった科学技術基本計画に基づく女性研究者支援に係るさまざまな施策の意義・目標を詳述してくださいました。また,次世代女性研究者育成に向けて,理工系でやはり女子学生・女性スタッフが少ない高専と大学との連携・協力も示唆してくださいました。(株)東芝開発センター技監・土井美和子先生には「企業における男女共同参画の取り組み」について,工学系大学院から企業に就職されたパイオニアとして一貫して研究所で活躍していらっしゃったご経験を通して興味深くお話しいただきました。
本学若手女性研究者4名によるショートリポートでは,研究に対する意欲,家族を含む生活との両立について,それぞれの夢や抱える問題,支援室に望むことが語られました。学会や研究発表会等の場では聞くことのできない女性研究者の現況が活き活きと伝えられて,ご来賓,総長はじめ参加者全員が引き込まれるように耳を傾け,大変好評でした。
シンポジウム終了後,事務局第1会議室でご来賓・特別講演講師の先生方を囲む意見交換親睦(しんぼく)会が開かれ,林理事,遠藤事務局長,大塚監事とともに本学女性研究者20名が参加し,率直に意見を述べ合う中で交流を深め,予定時間を超えて終始大変和やかに進められました。昨年8月に当時文部科学省科学技術・学術政策局総括官でいらした河村先生の本学ご視察に際し,同じ会議室で開かれた女性研究者意見交換会から1年,女性研究者たちのネットワークは着実に広がり根付こうとしています。少数であるがため,日常,「個」や「孤」に陥りがちな女性研究者たちが,同じような状況や悩みを抱えている仲間を見つけ,協力したり励ましあったりしていけることこそ,活躍促進の原動力となると考えられます。また,彼女たちの力強い同僚である男性研究者たちとの意思疎通も重要なポイントです。本シンポジウムを契機に女性研究者支援室を中心とする支援活動が,全学の理解・協力を得て推進・展開されていくことを願っています。
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熱心に講演に耳を傾ける参加者は,男女ほぼ同数 |
河村潤子高専機構理事の明快で説得力のあるご講演 |
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女性研究者のさまざまなライフステージにおける支援が科学技術施策に取り入れられていることが示されました |
ご来賓・講演者を囲んでの意見交換親睦会は終始,和やかな活気に満ちていました |
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(女性研究者支援室) |