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Ademola Braimoh博士が,グローバル・ランド・プロジェクト(GLP)札幌拠点オフィス事務局長として着任

 創成科学共同研究機構の戦略重点プロジェクト研究部門であるサステイナビリティ・ガバナンス・プロジェクト(SGP)の特任助教授として,Ademola Braimoh(アデモラ・ブライモー)博士が11月1日付で着任しました。Braimoh博士は,ドイツのボン大学で地理学の学位を取得し,前職は横浜の国際連合大学高等研究所の特別研究員で熱帯における土地利用と水管理の研究に携わり,国際プロジェクトLUCC(土地利用・土地被覆変化)に貢献してきた地理学者です。Braimoh博士には,SGPに設置されるグローバル・ランド・プロジェクト(GLP:全球陸域研究プロジェクト)札幌拠点オフィスの事務局長として,国際的な研究ネットワークの構築や個別研究の統合を通して,GLPの実施をけん引していただくこととなっています。
 グローバル・ランド・プロジェクト(GLP)は,国際科学会議のもとに組織されたIGBP(国際地球圏−生物圏協同研究計画)と IHDP(地球環境変化の人間社会的側面国際研究計画)の共同コアプロジェクトとして立案され,今年度より実施段階に入った国際プロジェクトであり,陸域を人間−自然相互作用系ととらえ,グローバル化など人間社会の問題が土地利用を介していかに生態系の人間社会へのサービス機能や地域・地球環境に影響を及ぼすかを調べるとともに,その人間社会システムへのフィードバックを明らかにすることで,IPCC(気候変動に関する政府間パネル)や各国の政策決定における科学的基盤を提供することを目的としています。
 本学では,GLPの前身となる国際プロジェクトGCTE(地球変化と陸域生態系:2003年終了)のコアリサーチ「モンスーンアジア陸域生態系におよぼす地球変化のインパクト」(文部科学省科学研究費特定領域研究)を,北方生物圏フィールド科学センター・地球環境科学研究院・農学研究院が共同で進めた経験(1997〜2001年)に基づき,GLPの推進に参画・寄与する事務局の招致を計画してきましたが,SGPと「持続可能な開発」国際戦略本部の協力を得て,本年度,GLP札幌拠点オフィスが開設されることとなりました。今回の事務局長人事では,GLP科学実施委員会も加わって国際公募を行い,豊富な経験を有する12名の応募者の中からBraimoh博士が最適任者として選考されました。
 GLP札幌オフィスは,特に陸域システムの「ぜい弱性・復元力・持続可能性」を明らかにすることを目的に,Braimoh事務局長を中心とする連絡・調整・公報機能を果たすとともに,Braimoh博士に協力する副事務局長には,生態地球化学者で,GCTEの研究を推進してきた大学院地球環境科学研究院の杉本敦子教授があたり,専任のSGPアカデミックスタッフとして小鹿かおる氏が事務局運営をサポートします。


札幌拠点オフィスのウェブページ:
http://www.glp.hokudai.ac.jp/sapporo_home/
辞令をSGP代表の大崎満・農学研究院教授(右)から受け取るAdemola Braimoh博士(左) Braimoh博士とSGPスタッフ:SGPおよびGLP札幌拠点オフィスの玄関にて
辞令をSGP代表の大崎満・農学研究院教授(右)から受け取るAdemola Braimoh博士(左) Braimoh博士とSGPスタッフ:SGPおよびGLP札幌拠点オフィスの玄関にて
(創成科学共同研究機構)

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