| NHK生中継 ふるさと一番! 「“キャンパス農場”で大志を抱け」 |
3月1日(木)午後0時20分から,北方生物圏フィールド科学センター酪農生産研究施設において,「“キャンパス農場”で大志を抱け」と題して日本放送協会(NHK)の生中継がありました。
本学農学研究院講師の中辻浩善先生を案内人に,田中雅美さん(シドニー五輪競泳メダリスト)をゲストに迎え,吉岡大輔アナウンサーの進行で中継されました。
まずは中辻先生からクラーク博士にゆかりのある乳牛の説明や研究農場の紹介がありました。
ついで,自動給餌(きゅうじ)機で実際に配合飼料を与える作業が紹介されました。こちらの自動給餌機は,民間との共同研究により開発されたもので,これにより手作業で行われていた給餌が格段に軽減されます。
続けて,自動搾乳機が紹介されました。現在は畜舎内に走るパイプラインと牛の乳房をミルカー(搾乳機)で接続して搾乳するパイプライン方式を採用している酪農家が多く,ミルカーを背負って牛舎内を移動し搾乳しなければなりませんが,自動搾乳機は天井を走るレールで牛のところまでミルカーが自動搬送され,ミルカーに乳房をセットしたあとは,搾乳終了のタイミングなども自動で知らせてくれる優れもので,作業効率が上がります。
また,咀嚼反芻(そしゃくはんすう)(バイトカウンター)の研究をする学生,牛の体長測定をする学生,牛の出産と子牛の世話など牛の生殖・改良にかかわる学生など,最先端の研究だけではなく,こうした地道な研究も酪農を支えていることが紹介されました。
さらに生物生産研究農場では,家畜を飼うだけではなく,その家畜や牛乳を使い,バター,チーズ,ハム,ソーセージ,ベーコンなどの製品を作る実習も行われています。製品作りを指導する農学研究院助手の若松純一先生から,ハムやソーセージは評判が高く,食品会社への技術提供により製品化され,一般に販売されるようになったことの紹介がありました。おいしそうな試食の様子に,放映後には紹介された製品について問い合わせが相次ぎました。
最後に,お風呂(ふろ)に入る学生が登場しました。一見酪農とは無関係に思えますが,実はこのお湯は,農学研究院教授の松田從三先生の研究である,バイオガスプラントでメタンガスを除去する際に発生する硫黄を利用した擬似温泉です。排せつ物の再利用を目指した研究をさらに発展させたユニークな試みです。
このように生物生産研究農場では,農学部,獣医学部などのさまざまな分野における研究を,スタッフが一丸となってサポートしています。今回の取材では,本学に在籍する職員・学生でもあまり知らない,まして一般の人にはほとんどわからない生物生産研究農場の実態を広く知ってもらう良い機会になりました。 |
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| 中辻先生から自動搾乳機の説明をうける吉岡アナと田中雅美さん |
ハムやチーズなどの製品の紹介 |
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| (北方生物圏フィールド科学センター) |
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