北方生物圏フィールド科学センター中川研究林助手池上佳志氏は去る平成19年3月7日(水),交通事故のため35歳の生涯を閉じました。ここに同氏のご逝去を悼み,その人柄と功績を偲びながら謹んで哀悼の意を捧げます。
池上氏は昭和46年9月8日,和歌山県有田市に生まれ,平成6年3月,広島大学総合科学部を卒業しました。そして直ちに同大学大学院に進学し,平成12年3月に博士(後期)課程を修了しました。修了と同時に北海道大学農学部附属演習林(当時)に職を得て,同年7月,中川地方演習林に赴任し,今日に至りました。専門は環境計画で,景観生態学を基礎にした景観の創造,環境保全などの実証分析と理論化に鋭意,取り組んでいました。この研究はわが国では新しい分野ですので,同氏の今後,一層の活躍が期待されているところでした。また教育面,森林管理面における同氏の真摯な態度は,周囲から高い評価を得ていました。
しかし同氏は突然,交通事故により帰らぬ人となり,その努力は一瞬のうちに絶たれることになりました。残されたのは奥様と満3歳のご子息です。葬儀では,非常に元気で快活なご子息の姿が参列者の新たな涙を誘うこと,しきりでした。奥様もご子息もこれから末ながく,力強く生きていかなければなりません。そのためにも,各位より従前とかわらぬご支援,ご厚誼が寄せられるならば,これにまさる激励はありません。その点,何とぞよろしくお願い申し上げる次第です。
(北方生物圏フィールド科学センター)
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