7月19日(木),東京都千代田区丸の内のサピアタワーにおいて,第13回「北大フロンティア・セミナー」を開催しました。平日にもかかわらず,首都圏の企業や官庁などで活躍している北大のOBやOGの皆さんをはじめとして約70名の方に参加いただきました。
今回は平成19年度初めての開催とあって,まず岡田副学長から「北海道大学の研究戦略」をテーマに約30分の講演が行われました。岡田副学長は,21世紀COEの後継プログラムである「グローバルCOEプログラム」並びに平成19年度から新たに実施される「世界トップレベル拠点形成プログラム」への取組状況,研究戦略の長期的ビジョンを検討するための「長期的研究戦略構想検討WG」の設置などについて紹介しました。
続いて,法学研究科教授であり,また本学北京オフィス所長でもある鈴木賢教授は,「中国法制度の光と影」と題し,北京オフィス所長としての立場から,オフィスの活動状況等をスライドを交えながら紹介しました。中国の法制度に関しては,中国における憲法の意義や本年3月に制定された物権法を中心に,制定時に日本のマスコミにも大きく取り上げられ,「財産権の範囲拡大」,「私有財産の保護明示」などといった私有化路線への転換を図ったかのような論調で報道がなされたが,物権法ではいかなる意味においても土地が個人に私有されることは想定されておらず,従って本法は公有制を維持することを前提としているということ,また,中国の都市住民が持っている財産の中で最も関心が高いのはマンションであり,従って物権法には管理組合の組織・権限や道路・緑地・駐車スペースの帰属等,マンションに関わる権利について非常に詳しく規定されていることなどを大変わかりやすく説明しました。1時間ほどの短い講演でしたが,参加者の皆さんは説明に熱心に耳を傾けていました。
セミナー終了後に開催された懇談会においても,岡田副学長,鈴木教授と参観者の間で意見交換が盛んに行われました。
|