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新たな海外広報への挑戦 −AAASへの参加−

 アメリカのボストンで開催されたThe American Association for the Advancement of Science(AAAS)の年次大会の場を利用して,2月15日(金)〜17日(日)にブース展示を行いました。
 
AAAS(全米科学振興協会)は,科学者による世界最大の非営利組織です。雑誌「サイエンス」を発行していることで有名で,その年次会合は,報道関係者や研究者が世界から多数集まる場としてよく知られています。

 本学は,海外広報体制の強化という観点から,国際戦略の一環として日本の大学で初めて展示ブースを設置しました。それにより,AAASの評議会ならびに来場者の大きな注目を浴び,本学の国際的知名度を高める効果がありました。
 本学からは,科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP),触媒化学研究センター,低温科学研究所,環境科学院と「持続可能な開発」国際戦略本部が参加し,連携して展示作成ならびに来訪者とのコミュニケーションを行いました。
 CoSTEPは会場レイアウトやパンフレットのデザインを担うと共に,双方向的なコミュニケーションを実現すべく“Opinion Pod(オピニオン・ポッド)”という意見収集の仕組みを開発して会場に設置しました。これを通じて158人の来訪者から「北大応援メッセージ」などのコメントや意見を得て,インターネットを通じて世界へ,さらに翻訳をして日本へ発信をしました。
 一方,触媒化学研究センターは環境技術の紹介を中心に据え,触媒の働きを気軽に実験できる体験コーナーを設け,老若男女の関心を惹きました。また,国際南極大学プロジェクトを推進する低温科学研究所は,野外実習コースの記録映像を使って「南極学カリキュラム」を紹介するとともに,南極大陸の模型を設置して多くの人の注目を集め,近年の極地研究・温暖化研究の紹介を行いました。
 その結果,3日間でおよそ1,000人のブース来訪者があり,本学が進める「持続可能な開発」のうち,特に環境に関連する研究と教育活動を紹介すると共に,G8サミットに向けた本学の取組みに対し海外の研究者・メディア等の関心を喚起することができました。
 今回の展示に従事した11人(国際戦略本部1人,CoSTEP5人,触媒化学研究センター3人,国際南極プロジェクト2人)により,CoSTEPが設置したブログ形式のホームページを活用して,渡航前,展示中,展示後にわたり最新情報を発信したところ,日本の報道機関などから1日延べ1,000件余のアクセスがありました。また,ボストンでの展示と並行して,本学の総合博物館内にコンピュータを設置してウェブサイト上のオピニオン・ポッドを公開したところ,多くの来館者が関心を寄せて閲覧していました。
 このように,実質的な展示に加えインターネットを活用することで,国内外の広い範囲に対して効果的な広報を行うことができました。今回のAAAS参加によって,海外広報のあり方について多くの知見を得ることができたことは,将来の広報計画を考える上で大きな収穫でした。

 下記URLから,展示会場の様子を紹介する記事や写真が閲覧できます。
 http://fox231.hucc.hokudai.ac.jp/AAAS2008/
展示のブース全体 CoSTEPのコミュニケーション
展示のブース全体 CoSTEPのコミュニケーション
触媒のコミュニケーション 南極大学のコミュニケーション
触媒のコミュニケーション 南極大学のコミュニケーション

(「持続可能な開発」国際戦略本部)

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