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病気療養のため休職中であった本学理学研究院准教授宮島直美氏は平成20年1月26日午後9時15分,子宮癌及び胃癌のため53歳で逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。
同氏は,昭和30年1月25日に群馬県に生まれ,昭和52年3月にお茶の水女子大学理学部化学科を卒業,昭和54年3月に同大大学院理学研究科化学専攻修士課程を修了されました。その後オハイオ州立大学の大学院に入学し,昭和59年12月にPh.Dを取得されています。帰国後は一時,お茶の水女子大学で研究生として過ごされましたが,昭和61年7月に岡崎国立共同研究機構分子科学研究所に技官として採用されました。昭和62年9月には北海道大学理学部化学第二学科の助手となり,平成4年6月に講師,平成7年4月には同大大学院理学研究科化学専攻の助教授となり,平成18年4月からは大学院理学研究院准教授として在籍されていました。
同氏は学生時代から錯体化学の研究者として活発に研究を行い,オハイオ州立大学では当時錯体化学分野の世界的なリーダーの一人であったDaryle
Busch教授に師事し,遷移金属二核錯体の研究を進め,学位を取得しています。その後,分子研で固体内プロトン移動の物理化学的研究に参加し,また北大では液晶研究グループのスタッフとなったこともあり,研究テーマが大きな展開を見せました。
宮島氏は,それまで培ってきた錯体化学の知識を生かし,北大では金属錯体液晶という新しい研究テーマをスタートさせました。この研究は国際的に注目され,黎明期にあったこの分野の象徴的な会議である「メタロメソゲン国際シンポジウム」の国際諮問委員会のメンバーにも選ばれました。研究をスタートした頃は液晶性を示す金属錯体化合物の設計・合成を主眼とされていましたが,次第に金属錯体液晶独特の機能へと視点を移して行かれました。ネマチック液晶に螺旋構造を誘起するドーパントとして,従来は不斉炭素を持つ有機化合物が用いられていましたが,宮島氏は,遷移金属の空いたd軌道を活用すればより優れた螺旋誘起能が得られることをいち早く指摘し,それを実現しました。この研究が国際的な注目を集めている中で,病気のため研究の中断を余儀なくされたことは,誠に残念なことでありました。
同氏は日本化学会,アメリカ化学会,国際液晶学会,日本液晶学会,錯体化学会に所属し,いくつかの学会では運営委員として学会の発展にも貢献されました。同氏は研究以外にも,北大における大学院や全学教育での教育にも貢献され,また,ハラスメント相談員を務めるなど,運営にも貢献されました。また,学術振興会や大学入試センター等,学外の関連機関の活動にも貢献されました。
ここに謹んで先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
(理学院・理学研究院・理学部)
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