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名誉教授飯島源治郎氏は平成20年1月29日午前6時21分,原発不明線癌のため81歳で逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。
同氏は,大正15年4月14日,山形県に生まれ,昭和25年3月北海道大学農学部農業経済学科を卒業後,同年11月北海道大学農学部助手,同36年4月同講師,同39年7月同助教授を経て,同52年3月北海道大学農学部教授に任じられ,爾来12年にわたり農業協同組合論講座を担当され,教育・研究に従事されました。平成2年3月北海道大学を停年退職し,同年4月北海道大学名誉教授の称号を授与されました。退職後は,平成2年4月から同4年3月まで北海学園北見大学の教授を務めるなど,私学振興にも貢献してこられました。
この間,同氏は,農業経済学分野,特に農政学及び協同組合論についての幅広い研究に従事し,農業諸制度並びに農業協同組合の発展に研究者の立場から貢献しました。これらの研究成果は100編を超える論文・論考と8冊の著書として発表されています。
農政学講座においては,農業の経済的発展とそれに伴う制度的課題の研究を行い,そのうち農業発展の地域較差とその要因を明らかにした「北海道農業の地域別発展較差に関する経済的研究」に対して,昭和37年3月北海道大学から農学博士の学位を授与されました。昭和37年4月から,新設された農業協同組合論講座において,農協に関する理論的,実証的研究に従事し,多くの成果をあげました。特に政治・経済的体制の違いによる協同組合の役割の相違に注目し,農業協同組合と独占禁止法との関係についての国際比較,社会主義国における協同組合の役割,世界の協同組合の発展類型などを考察した研究は,協同組合,農協の問題を広く国際的視点から分析する先駆的業績となりました。その他にも農産物の販売と農業用資材の購買において農協が果たす価格形成機能の解明,農協合併の効果に関する実証的研究など,農協の発展にとって重要な新しい研究分野に道を開きました。また,農業の経済的発展にとっては農業に不可避な不安定性を制度的に除去することが必要であるとの見地から,農業保険制度の研究に従事して制度拡充の必要性を指摘し,同制度の発展に貢献しました。特に北海道の畑作農業を対象とする研究は,畑作共済制度の創設に重要な役割を果たしています。さらに,農業金融論の分野では,農家の投資と負債についての理論的,実証的研究を行って長期低利資金の制度化の必要性を明らかにし,その実現に貢献するとともに,農協信用事業の独自の役割を解明し,その発展に寄与しました。
一方,学内においては,農業協同組合論講座教授としての教育・研究の他,昭和53年6月には教育学部非常勤講師を併任し,昭和60年4月から同61年3月まで北海道大学教養課程教育協議会委員を務めるなど,本学の教育の発展に尽力しました。
学外においては,昭和43年から一貫して北海道農業共済保険審査会委員を務める他,長期にわたって農林水産省の農林水産統計審議会専門委員,北海道農業共済組合連合会の畑作物共済部会長及び損害評価会会長,北海道土地改良区運営改善協議会会長,農協職員資格認定委員会委員及び試験委員などの公職にあり,農業行政及び農業団体の発展に寄与しました。また,昭和29年以来,北海道農業協同組合講習所,北海道農業協同組合学校の講師を務め,農協職員の養成と教育に尽力した他,北海学園大学,北星学園大学,拓殖大学北海道短大などの非常勤講師として私学教育にも貢献しました。
学会活動においては,日本農業経済学会常務理事,日本協同組合学会理事及び副会長などを歴任して斯界の発展に尽力する一方,昭和51年から北海道協同組合研究会代表幹事及び会長として,農協だけでなく,漁協,生協,森林組合など協同組合に関する研究を長期にわたって指導し,道内の協同組合の理論的,実践的成長に寄与しました。
以上のように,同氏は昭和25年3月に北海道大学を卒業して以来,40年の永きにわたり,教育者及び研究者として,一貫した信条のもとに優れた業績をあげ,多くの研究論文を通じて学術の発展と後進の育成啓発に尽くすとともに,大学の発展に貢献し,さらに農業協同組合をはじめとする協同組合,農業団体,農業行政の健全な発展に寄与した功績は極めて顕著なものと高く評価されています。
ここに謹んで先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
(農学院・農学研究院・農学部)
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