寄稿

監事退任にあたって
前監事 伊 東   孝

前監事 伊 東   孝

 平成17年4月北大が独立行政法人化するに際し,浅学非才を省みず監事という大役に就任してから4年が経過し,この度任期満了により大過なく無事退任しました。
 私は昭和30年春に北大へ入学し,同34年3月に経済学部経済学科を卒業しましたが,在学中の4年間は青春を謳歌した生活でした。
 北大は,私の大切な大切な魂の故郷であり,目を閉じれば後期高齢者となった今でも瞬時に青春時代にタイムスリップできるのです。
 卒業以来,私は,弁護士及び公認会計士として営利を追求する企業の経営アドバイスや監査業務に従事し,また,破綻した企業の再建等もお手伝いしてきましたが,官庁関係の仕事には全く縁がありませんでした。そんな私に,北大監事就任の話があり,監事の重責を全うする自信は全くありませんでしたが,私を育ててくれた北大のお役に少しでも立てるのならばと就任を承諾したのです。
 国立大学法人化するに際し,荒れ狂う暴風雨の中に船出をしたのですが,その暴風雨はますます激しくなる一方で,治まる気配がありません。
 この暴風雨の状況が,約半世紀前に聴講した経済変動論での日本の一局面であるかとは思います。
 ただ,私の職業上の経験から見ると,北大の財政的経営状況は,どうも我が国の経済と同一縮図の様相であり,10年後には一体どうなっているのか暗澹たるものであるというのが,私の正直な気持ちです。
 しかしながら,佐伯総長をはじめとする役職員が襲い来る難問題を次々と解決し,荒れ狂う暴風雨の中,無事荒波を乗り切って目的地へ辿り着くようがんばっていらっしゃる姿には,ただただ頭の下がる思いです。
 北大丸がこの先,ただ単に荒波を乗り切るのではなく,北大のその存在価値たる研究の面を重視して目的地へ到達できるようにと念願しており,陰ながら私も応援するつもりでおります。
 どうぞ皆様の絶大な応援をお願いいたします。


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