7月28日(月),大学文書館では,伊藤誠哉関係資料を四方英四郎名誉教授から寄贈いただきました。
伊藤誠哉(1883〜1962)は,1883(明治16)年新潟県に生まれ,札幌農学校予修科・本科を経て,1908(明治41)年東北帝国大学農科大学農学科を卒業,母校の教官となりました。専門分野である植物病理学・菌類学の研究に邁進する一方,1941(昭和16)年からは北海道帝国大学農学部長を,1945(昭和20)年からは第5代総長の任に就いています。
この度,受贈した伊藤誠哉関係資料は,「明治節式辞」(1946年11月3日),「憲法発布記念式々辞」(同),「体育祭・文化祭に於ける総長演述」(1948年10月)の直筆式辞原稿3点です。
「明治節式辞」は明治天皇誕生日を記念した旧憲法下の祝日儀式の伊藤総長式辞です。「憲法発布記念式々辞」は新憲法発布記念式の際の伊藤総長式辞です。両式典は同日(1946年11月3日)に行なわれ,式辞の内容も相関しています。両資料は,敗戦直後の日本の社会状況や,戦後民主化の過程と内実を端的に示すものと言えます。
「体育祭・文化祭に於ける総長演述」は,1948(昭和23)年開催の体育祭・文化祭の伊藤総長の挨拶原稿です。北大では1946(昭和21)年秋に第1回大学祭を行ないました。翌年は資金難や運営面の問題のため中止となりましたが,1948年には体育祭・文化祭という形式を取って開催しました。戦前の遊戯会・文武会の行事の流れを汲み,現在の大学祭へとつながる行事です。
今後,これらの受贈資料については,『北海道大学大学文書館年報』において覆刻し,歴史的資料として広く活用できるようにいたします。
|
 |
 |
 |
「明治節式辞」 |
「憲法発布記念式々辞」 |
「体育祭・文化祭に於ける総長演述」 |
|
(大学文書館) |
|