サッポロ・デンタル・カレッジ新校舎一部完成記念式典に出席 |
バングラデシュの首都・ダッカで11月9日(日),本学歯学研究科の卒業生らが設立した私立の歯科大学「Sapporo
Dental College and Hospital(以下,カレッジ)」の新校舎一部完成記念式典が開催され,カレッジから招待を受けた脇田稔理事・副学長,川浪雅光歯学研究科長,河村正昭名誉教授,雨宮璋名誉教授夫妻ら本学代表団計11人が出席しました。新校舎で行われた式典は,カレッジの運営母体となっている基金の関係者や学生のほか,同国政府高官,日本大使館関係者など計300人が参加する非常に盛大なもので,同国で良質な歯科教育・医療を提供するカレッジへの信頼と期待の高さがうかがわれました。
バングラデシュは総人口1億4,000万人に対して,歯科医師数は約3,500人(実働2,000人)と日本の50分の1程度しかおらず,歯科医療の水準は世界でも最低レベルです。本学歯学研究科は1983年以降,日本の進んだ歯科医療技術・知識の習得を希望する同国の歯科医師20人以上を受け入れてきました。同国からの最初の留学生であるProf.
Dr. M. A. Hannan(現カレッジ校長)と,Prof. Dr. M. Ahmedの「母国に,良質な歯科医療を提供する病院を設立したい」という夢を叶えるべく,同研究科は歯周病学,口腔外科学,歯科補綴学,歯科保存学,歯科矯正学,病理学,解剖学,薬理学等の専門家をそれぞれの講座で毎年数人ずつ計画的に養成してきました。
Hannan校長は,Prof. Dr. Ahmedと1993年,夢の実現の第一歩として,ダッカ市内に歯科診療所「Sapporo
Dental Care」を開設しました。そして2000年秋には「歯科医療の水準向上と人材育成」というより大きな夢の実現に向け,同じく本学歯学研究科で学んだ同国歯科医師5人と資金を出し合い「Sapporo
Dental College and Hospital」を設立しました。カレッジはダッカ市北部のスラム街の近くに位置し,低所得層のために治療費を抑えた診療を行う病院も併設しています。名前の「Sapporo」には「留学生の誰もが親切にしてもらい,多くのことを学んだ思い出の地」への思いが込められているとのことです。
日本で学ぶバングラデシュの学生は少なくありませんが,このように特定の大学の卒業生が協力して私立大学を設立した事例は,同国内において他になく,カレッジが初めての試みなのです。遠くバングラデシュで,本学で培われたフロンティア精神が息づいていると感じられます。本学はカレッジと共に,同国の歯科医療の発展に向けた連携強化を今後とも進めていきます。
また,式典翌日の11月10日(月)には,脇田理事・副学長,川浪歯学研究科長らがダッカ大学本部を訪問し,Yusuf Haider同大学副学長と会談しました。席上では両校の間で大学間協定を締結することで双方が合意し,加えて同大学に本学ダッカ・オフィスを設置することについても合意され,今後検討していくこととなりました。オフィスの設置が実現すれば,バングラデシュの学生に向けての本学の情報提供,同国での本学関係者の活動拠点としての機能などを担うことが期待されます。
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式典で挨拶をする川浪研究科長 |
脇田理事・副学長とYusuf Haider ダッカ大学副学長 |
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(学術国際部国際企画課) |
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