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総合博物館土曜市民セミナー「日本でもマイクロファイナンスを始めてみませんか?−市民が変える内外の貧困・格差−」が開催される

 総合博物館では11月29日(土),土曜市民セミナー「日本でもマイクロファイナンスを始めてみませんか?−市民が変える内外の貧困・格差−」を開催しました。講師は,本学公共政策大学院の菅正広教授です。
 マイクロファイナンスとは,担保となるようなものがなく銀行等が融資対象としない貧しい人たちに対して,少しの額から,担保なしで貸してくれる金融です(貧しい人が自立することを助ける金融)。日本では普及していませんが,ムハマド・ユヌス教授(2006年ノーベル平和賞受賞)のグラミン銀行によるバングラディシュの成功例を始め,開発途上国のみならず欧米先進国でも普及しています。
 当セミナーでは,GNP世界第2位の豊かな国とされる日本でも,もはや貧困が量的にも質的にも例外的な存在とは言えない状況になっていることがデータによって示され,日本国内の貧困に対しても有効な,マイクロファイナンスの具体的なビジネスモデルが提案されました。また,国内外の貧困削減に対してマイクロファイナンスを通してできることは,金融機関や政府だけでなく,一般市民の力・役割もきわめて大きいことが示され,市民の立場で実践できる具体的な行動例が紹介されました。臨時のセミナーであったにもかかわらず反響は大きく,当日は約60名の市民が参加し,道外からの参加者も見られました。
 なお,菅教授の提案は,先生の近著『マイクロファイナンスのすすめ−貧困・格差を変えるビジネスモデル』(東洋経済新報社)で読むことができますので,当日参加できなかったかたは是非ご覧ください。
講演する菅正広教授
講演する菅正広教授
ポスター
  ポスター
(総合博物館)

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