4月16日(木),大学文書館では,半澤洵関係資料を,前川公美夫氏(北海道新聞社出版委員)からご寄贈いただきました。当日は,前川氏から資料ごとに説明を,同伴の前川茂夫人(半澤洵の孫)からは半澤洵にまつわるあたたかいエピソードをうかがいました。
この度,受贈した資料は,(1)海外留学・出張関係資料,(2)遠友夜学校関係資料,(3)講演原稿・草稿など1箱です。
(1)は,応用菌学研究のため欧米留学した際の「欧米留学日誌」(1911〜1914年),留学中の「受領書翰姓名簿」・書翰控(1912〜1914年),欧米出張した際の「往復書簡綴」(1927年)です。
(2)は,1921(大正10)年から代表を務めた遠友夜学校の運営に関する資料群です。1929(昭和4)年移転改築工事に関する書類・設計案・青図,開校記念日や「新渡戸稲造校長一周年記念会」等での式辞原稿,『遠友』・『遠友夜学校一覧』などの刊行物が含まれています。
(3)には,恵迪寮開識社での演説原稿「旅行談」(1925年6月)や,札幌農学校学生時代の回想断片,札幌放送局での放送原稿「納豆」(1938年5月)などが含まれています。
回想断片は,前川公美夫氏・高原二郎氏が翻刻し「農学校学生時代の有島武郎−半澤洵のメモから」(『有島武郎研究』第7号,2004年3月)に発表されています。有島武郎と同級生であった半澤洵の「私は常に有島サンの隣りに席を有して居た御蔭で佐藤昌介先生の農業経済学,農政学,殖民学などの講義のノートには幸いに穴があかず大に助かった」等,学生生活がうかがえます。
また,放送原稿「納豆」からは,納豆菌の研究と衛生的な納豆製造法の普及に尽力する半澤洵の姿が伝わってきます。調理法に「納豆オムレツ」と書き込んだ納豆包装紙もあります。
今後,受贈資料については,大学文書館において大切に保管し,沿革資料として幅広く活用いたします。 |
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有島武郎を回想した手稿 |
放送原稿「納豆」と納豆包装紙 |
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(大学文書館) |
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