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国際シンポジウム「HOKKAIDO UNIVERSITY−MAHIDOL UNIVERSITY JOINT SYMPOSIUM」開催

 創成研究機構,先端生命科学研究院では,「日本学術振興会 若手研究者交流支援事業―東アジア首脳会議参加国からの招へい―」のサポートにより,平成21年3月から5月にかけてMahidol大学(タイ)の10人の若手研究者(講師1人,大学院学生9人)の短期留学を受け入れました。このプログラムの一環として,5月12日(火)から13日(水)の日程で,「HOKKAIDO UNIVERSITY− MAHIDOL UNIVERSITY JOINT SYMPOSIUM」が創成科学研究棟において開催されました。(代表者:基礎融合科学領域リーダー育成システム 特任助教 田中良和)
 本シンポジウムでは,大学院生や若手研究者の研究成果の発表に主眼を置き,国内外の若手研究者を招へいし,最新の生命科学研究の動向について議論することができました。
 12日の午前の部「Plenary Lecture」では,Marc-Michael Blum博士(Blum-Scientific所属;ドイツ),真壁幸樹博士(自然科学研究機構 岡崎共通研究施設 岡崎統合バイオサイエンスセンター;日本),Sarin Chimnaronk博士に,中性子線とX線による結晶構造解析から,酵素反応のメカニズムを原子レベルで解明した研究(Blum博士),蛋白質中のβ-シートの形成機構を蛋白質工学的手法により解明した研究(真壁博士),種々のRNA修飾酵素の反応機構を解明した研究(Chimnaronk博士)についてご講演いただきました。
 午後の「Students’ Presentation」では,Mahidol大学と北海道大学の8名の大学院学生が口頭発表を行い,蛋白質科学,計算科学,生体材料化学などの幅広い生物科学研究についての活発な議論が展開されました。また,両大学の43名の若手研究者がポスター発表を行い,現在進行形の研究について積極的な意見交換がなされました。
 13日の「Young Researchers’ Presentation」では,国内の7人の若手研究者による最近の研究成果が報告され,松尾光一博士(広島大学)による放射光円偏光二色性の利用や展望,浅野竜太郎博士(東北大学)による抗体分子の医学的応用に向けた研究の動向をはじめ,技術開発から分子解析・医学的応用に至る幅広い分野について知見を深めることができました。
 また,学会終了後には,北海道大学茶道研究会の協力のもと,外国人研究者の異文化体験として,「Japanese Tea Ceremony」が行われました。出席した外国人研究者の多くは,はじめての経験に興味津々の様子でした。茶道研究会代表の門脇由香利さん(経済学部4年生)も,貴重な機会を提供できて良かったと語っていました。
 本シンポジウムは,北大基礎融合科学領域リーダー育成システムと,融合生命科学プロフェッショナルの育成 FB−Stationの学生により運営されました。運営委員にとっては,研究についての知見を深められただけではなく,国際学会の企画・運営を学ぶ非常に良い機会にもなりました。

会場での集合写真
会場での集合写真

ポスター発表の様子

ポスター発表の様子

Japanese Tea Ceremonyにて茶道について学ぶ留学生たち
Japanese Tea Ceremonyにて
茶道について学ぶ留学生たち

(創成研究機構,先端生命科学研究院)

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