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イールズ事件関係資料を大学文書館で受贈

 6月23日(火),大学文書館では,和氣和民氏(元医療短期大学部教授)から,イールズ事件関係資料2点を寄贈いただきました。
 イールズ事件は,1950(昭和25)年5月,来学した連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)民間情報教育局の高等教育顧問イールズが,共産主義思想を有する大学教官の追放を主張する反動的講演を行なったのに対して,学生たちが講演を妨害したとして,多数の処分者を出した事件です。和氣氏は理学部学生としてイールズ講演に立ち会いました。
 受贈した資料の1点目は,騒動に関与した学生の処分を評議会が決定したことに対し,理学部教官有志が反対を表明した「声明書」を,理学部学生自治会がガリ版刷りにして配付したビラです。
声明書
声明書
 もう1点は,学生処分に反対して理学部学生自治会等が呼びかけて行なった署名を,学長に手交する際に添えた文書です。この文書には,学長代理として署名を受け取った島善鄰農学部教授の自署があります。両資料は,理学部学生自治会員として学生処分反対運動に関わった和氣氏が大切に保管してきたものです。
署名簿学長手交文書
署名簿学長手交文書
 北海道大学におけるイールズ事件に関する資料は,数点の写真以外はほとんど知られていませんでした。今回受贈した2点の資料は,事件に対して教官と学生の双方がそれぞれの立場からどのように関わったかを示す貴重な資料です。両資料は,戦後間もない時期の紙資料であり,劣化の危険性が非常に高いため,大学文書館では可能な限り劣化を防ぐ方途を勘案して大切に保管してまいります。
(大学文書館)

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