6月22日(月),大学文書館主催により,第5回北海道大学史研究会を,附属図書館大会議室で開催しました。
当日は,「札幌農学校第23期生川嶋一郎の学生生活―学業・ロシア文学・遠友夜学校―」と題して,山本美穂子大学文書館員が報告を行ない,川嶋昭二氏(川嶋一郎子息,1952年理学部卒業)にコメントをいただきました。川嶋一郎家の郷里(岩手県二戸市福岡)の方々や関係者をはじめ,学内外から49名の参加がありました。 |
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研究会の様子 |
山本報告では,川嶋一郎(1900年札幌農学校予修科入学,1906年同校本科卒業)が札幌農学校在学中に書き綴った日記の内容をもとに,川嶋一郎がどのような学生生活を過ごしたか,まず,学業の面から,講義・実習・実地研究旅行の説明がありました。続いて,川嶋一郎・足助素一を中心として,有島武郎(第19期生)の後輩たちの交友関係,ロシア文学の受容経路と内容,遠友夜学校での熱心な活動などについて報告がありました。 |
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コメントする川嶋昭二氏 |
報告の後には,専攻分野(畜産学)と卒業後の進路の関係,日露戦争期におけるトルストイへの傾倒,非戦論をめぐる学校内の人物描写,札幌街並みの記述,学生生活の経済的状況など,多岐にわたるテーマについて,川嶋昭二氏のコメントを交えながら,質疑応答が行われました。 |
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川嶋一郎日記と翻刻書(1904年2月23日条) |
なお,大学文書館では,川嶋一郎日記の全文翻刻を行ない,『〈翻刻〉札幌農学校第23期生川嶋一郎日記(1899〜1904年)』(北海道大学大学文書館資料叢書3)として刊行しました。是非,ご覧ください。 |
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(大学文書館) |
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