部局ニュース

北方生物圏フィールド科学センター厚岸臨海実験所
みさご丸竣工記念行事を開催

 北方生物圏フィールド科学センターでは,10月24日(土)に厚岸臨海実験所みさご丸竣工記念行事を執り行いました。
 36年前に造船された先代みさご丸の老朽化が進み,また仕様や設備が最新の研究・実習に対応できなくなってきたことから新造が熱望されてきましたが,このほど8代目となる調査実習船みさご丸が完成し本学役職員や同実験所にかかわりの深い厚岸町関係者に披露されました。同船は沿岸生態系および生物多様性の長期モニタリングなど実験所を拠点とした研究の中核を担い,また本学理学部の臨海実習などに利用されています。全長15.6m,9.7トン,定員30名と先代みさご丸よりも大型化し,最高速力も8ノット(時速約15km)から23ノット(時速約42km)に向上しました。
  厚岸臨海実験所愛冠自然史博物館で行われた竣工記念式典では,開式の辞に次いで仲岡雅裕厚岸臨海実験所長から新みさご丸が紹介され,本学佐伯総長からのあいさつの後,厚岸町長,厚岸町議会議長から祝辞が述べられました。また,厚岸港に場所を移して新みさご丸の試乗会が行われ,出席者に新船の乗り心地や最新の観測機器のデモンストレーションを体験していただきました。

 
第8代みさご丸を紹介する仲岡所長 みさご丸に試乗する佐伯総長ほか関係者
第8代みさご丸を紹介する仲岡所長 みさご丸に試乗する佐伯総長ほか関係者
 
 厚岸情報館で厚岸町との共催により「海洋環境の観測と環境教育・まちづくり」をテーマに行われた記念シンポジウムでは,パネリストとして京都大学特任教授 向井宏氏,水産総合研究センター北海道区水産研究所技術開発員 森岡泰三氏を迎え,沿岸域の環境悪化の原因と地域との連携により対策を取ることの大切さや,厚岸湖の環境維持には地域住民の環境意識の向上が重要であることなどが訴えられました。その後のディスカッションでは,環境維持のための他地域の取り組みや,環境教育の重要性,長期的な環境観測の必要性などが活発に議論されました。式典出席者や同実験所利用者のみならず,一般市民の参加もあり,有意義なシンポジウムとなりました。
 
パネルディスカッションで質問に答える向井氏
パネルディスカッションで質問に答える向井氏
 
 その後に行われた祝賀会では,出席者が研究的な立場や教育的な立場などの枠を超え,シンポジウムの時間的な制約を埋めるかのように活発な意見交換がなされ,盛況のうちに記念行事を終えました。
 
祝賀会で挨拶する脇田理事
祝賀会で挨拶する脇田理事
 
(北方生物圏フィールド科学センター)

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