経済学部では,札幌国税局長の後藤真一氏による特別講演会を11月16日(月)午後1時より学術交流会館・小講堂において開催しました。特別講演会のタイトルは「日本を取り巻く経済情勢と税務行政」で,我が国の経済の動向,税制面での政策対応,及び税務行政の最近の取り組みという3つのテーマを中心に講演が行われました。
講演者である後藤氏は,財務省を中心に,国土交通省,環境省などで勤務された経験を持ち,これを踏まえ現実の経済問題とそれに対応する政策について語られました。まず,我が国の経済の動向については,最近の金融危機の問題,80年代以降の対外的な経済問題,及び地球環境問題について説明していただきました。次に,税制面での政策対応に関しては,後藤氏が直接関わった住宅促進税制の創設,地価税の創設,及び最近の地球温暖化対策税について,興味深い経験談を聞くことができました。さらに,税務行政の最近の取り組みについては,国際課税における租税回避の問題とIT化への対応について解説していただきました。
講演会には多数の出席者があり,経済学部の学生と大学院生ばかりでなく,他学部の学生や一般の方の参加もありました。当日,参加者にアンケートを配布したところ,参加者の多くから後藤氏の講演が非常に有益であった旨の回答がありました。
現在,我が国は極めて深刻な財政危機にあり,消費税の増税など税の問題は切実なものとなっています。国民が税を正しく理解し,国と国民との間で税に関して正しい認識の下で契約が成立し,社会全体として持続可能な制度を作っていく必要があります。このような講演会が,学生の皆さんにとって現実の経済問題に興味を持ち,真剣に社会の在り方を考えるよい機会になることを期待します。 |
|
 |
 |
札幌国税局長 後藤真一氏 |
講演会の様子 |
|
|
(経済学研究科・経済学部) |
|
|