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真冬の森の宝を見つけたよ!ー雨龍研究林で「森のたんけん隊2010冬」を開催

 北方生物圏フィールド科学センターでは,小学生を対象とした「森のたんけん隊2010冬」を1月14日(木)〜15日(金)に雨龍研究林(雨竜郡幌加内町母子里)で開催しました(詳細は当センター森林圏ステーションのホームページhttp://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~exfor/fr/でご覧いただけます)。
 森のたんけん隊は,名寄市北国博物館・幌加内町教育委員会と共同で開催している1泊2日の宿泊体験型野外教育プログラムで,冬休み中の子供たちに研究林のフィールドや施設を開放し,楽しく遊びながら自然の営みや森と人間とのかかわりを学ぶことによって,健やかで個性豊かな人格形成と交流を促進するための地域連携社会教育事業です。
 今年の森のたんけん隊には,名寄市と幌加内町のほか,札幌市や石狩市,士別市から総勢29名の元気な小学生が集まり,北海道大学の大学院生やOBの中学生たちがボランティアとして運営をサポートしてくれました。
 初日は激しい風雪の中を,初めてカンジキをはいたとは思えないほど元気いっぱい雪の上を駆け回り,森の中に取り付けられたクイズを解きながらで樹木の名前を覚えたり,方位磁石の使い方や雪の温度の計測,さらには木の肌に触れながらその太さや高さを測りました。休憩の後は,焚き火で暖をとりながら,イグルーとスノーランタンを作りました。
 イグルー作りでは,雪のブロックを運ぶ係,のこぎりでブロックの形を整える係,それを積み上げる係など,作業を分担し,協力して作りました。また思い思いの形のスノーランタン作りでは,出来上がったランタンにキャンドルを灯して幻想的な光世界を楽しみました。夕食後はペットボトルを使ったアイスクリーム作りに挑戦しました。チョコート,抹茶,ジャムなど10種類のメニューの中から何を選ぶかあれこれ迷いましたが,お風呂上りに食べたアイスはどれもとてもおいしくて,みんな満足そうでした。

 
ハンドブックを片手に,森の中でクイズに挑戦 大きな輪尺を使って,森の樹木の身体測定

ハンドブックを片手に,森の中でクイズに挑戦

大きな輪尺を使って,森の樹木の身体測定
スノーランタンでファンタジックな光の世界 「西へ30m進め」七つ道具と巻物を持ち,雪の森で宝さがし
スノーランタンでファンタジックな光の世界
「西へ30m進め」七つ道具と巻物を持ち,
雪の森で宝さがし
 
 2日目は2台の雪上車に分乗して森の奥地へ出かけ,初日に学んださまざまな森の情報を思い出しながら,方位磁石や巻尺などの七つ道具を使い,巻物の指示を読み解きながら雪の中に埋められた宝箱を探しました。深い雪の中から無事に宝箱を掘り当てた瞬間には,森の中に歓声がこだましました。お昼のパーティーでバーベキューを堪能した後は,スノーモービルに乗って真っ白な雪原を駆け巡りました。最後に,「森のたんけん博士」の認定状をもらって,2日間のたんけんを締めくくりました。
 子供たちは体と心で自然や友達との対話を楽しみ,ちょっぴり逞しくなって家に帰りました。「森の中で動物の足跡を見つけて嬉しかった」,「新しい友達ができた」,「おいしいアイスクリームが作れた」,「スノーモービルにいっぱい乗れた」,「また来年も来たい」,などの感想が寄せられ,年末から準備作業に携わった職員の苦労も吹き飛びました。森のたんけん隊での経験を糧として,自然観察の面さを学び,友達との交流が今後も広がっていくことを願いながら,10回目の節目となる森のたんけん隊が終了しました。
 
(北方生物圏フィールド科学センター)
 

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