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角帽など新制大学の初期資料を大学文書館で受贈

 2月1日(月),大学文書館では,北野隆志氏(1956年文学部卒業),小倉誠氏(1957年農学部卒業)より,1950年代の在学・卒業関係資料を寄贈いただきました。
 受贈した資料は,北野隆志氏から角帽・卒業証書・学位記の計3点,小倉誠氏から角帽・卒業証書・身分証明書・学生証の計4点です。いずれも,戦後の新制大学初期の学生生活を物語る資料です。
 角帽は,戦前から長く大学生の象徴であり,大学生の矜恃を示すものでした。中学校・高等学校までは学生帽として天井部分が丸い「丸帽」を着用するのが普通でしたが,大学生になると天井部分が座布団のような四角形をした「角帽」を被ることができました(漫画「サザエさん」の磯野カツオ君が被っているのは「丸帽」,漫画「フクちゃん」の主人公フクちゃんこと福山福一君が被っているのが「角帽」です)。戦後もしばらく大学生の角帽文化は続きますが,1960年前後になると角帽はしだいにキャンパスから姿を消していきます。受贈した両氏の角帽は,戦前の流れを汲む学生文化の最後の姿をとどめるものです。また,ところどころ縫い目の綻びや汚れが目立ち,愛用の程をうかがうことができます。
 大学文書館では受贈資料を大切に所蔵し,展示等の企画に供して,多くの方々に受贈資料から当時の学生の様子を知っていただきたいと考えています。

 
角帽と学生証(1950年代) 左が北野隆志氏の角帽,右が小倉誠氏の角帽・身分証明書・学生証

角帽と学生証(1950年代)
左が北野隆志氏の角帽,右が小倉誠氏の角帽・身分証明書・学生証

 
(大学文書館)
 

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