「地質の日」・「国際博物館の日」記念企画展示「わが街の文化遺産−札幌軟石
歩いた!探した!見つけた!」を開催 |
総合博物館1階「知の統合」コーナーにおいて,標記企画展示を4月27日(火)〜5月30日(日)の日程で開催しました。
昨年の「地質の日」記念企画展示「支笏火山と私たちのくらし」では,約4万年前に活動し我が国最大級の巨大噴火を生じた支笏火山の生い立ちや火山災害の紹介を主体に展示しました。この大噴火は札幌・千歳・苫小牧方面を広く覆った膨大な火砕流や知床半島にまで及んだ降下火砕堆積物(火山灰)をもたらす一方で,札幌軟石という恵みもありました。
今回の展示では,支笏火砕流に由来する札幌軟石(溶結凝灰岩)に焦点を当てた展示となっています。札幌軟石は明治初期から建築素材として様々に利用され,重厚で風格のある札幌の街づくりに貢献してきました。往年よりも少なくなったとはいえ,今も街なかにその独特な姿を見つけることができる「わが街の文化遺産」です。展示では,支笏火砕流と札幌軟石の成り立ち,札幌軟石の採掘や運搬の歴史,軟石による建物や街づくり,札幌の軟石建築文化を支えた石工さんの高度な技術など今に残る産業遺産を紹介しています。また,1,700件を超える軟石物件を確認した市民グループのフィールドワークの成果,珍しい軟石造形品などを展示しています。
関連行事として,5月1日(土)には総合博物館南側ウッドデッキでワークショップ「札幌軟石クラフトに挑戦!」を,また1階「知の交流」コーナーでは土曜市民セミナー「札幌軟石 いま・昔」を開催しました。ワークショップでは,親子連れら約30名がのみなどを使って軟石の加工品作りに挑戦しました。講演会では,「札幌軟石は支笏火山の贈り物」(若松幹男氏:北海道地質調査業協会),「札幌の軟石文化」(岩本好正氏:札幌軟石文化を語る会・地蔵守氏:石工の会),「歩いた!探した!見つけた!札幌軟石」(中村祐子氏:札幌建築鑑賞会)の講演(3件)とパネルディスカッションを行い,多数の参加者(約80名)の参加者があり,札幌軟石に対する市民の皆さんの関心の高さがうかがえました。さらに,5月8日(土)には貸し切りバスで,南区石山の藻南公園(かつての採掘切り羽跡)・現在の軟石採掘現場・石山市街の軟石建物などの見学ミニツアー「札幌軟石ウォッチング」を行いました。あいにくの小雨まじりと三分咲きの桜も縮こまる寒さでしたが,約65名(応募は100名を超えた)の参加者が時間を気にしながらも盛りだくさんの内容を熱心に見学しました。さらに,参加した子供たちが採掘現場で軟石の切り出し体験もしました。
今回の企画展は,博物館のこれまでの企画展とはかなり趣きを異にし,市民グループが主体となり博物館が共催するという初の試みであり,学内外からも高く評価されています。本展示は僅か1ヶ月程度の短期間の展示でしたが,新聞やテレビなどのマスコミ報道もこれまで以上に多数行われ,札幌市民に対する宣伝効果が大きかったと思われます。期間中の入館者数は7,242人に上り,好評を得た博物館企画展示となりました。 |
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| 展示会場の様子 |
見学ミニツアーの様子 |
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| (総合博物館) |
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