5月27日(木)及び6月11日(金),大学文書館では,大学院工学研究科・工学部保管沿革資料306点の移管を受けました。移管を受けたのは,工学部設置前の1922(大正11)年から1970年代までの文書資料が中心で,教授会・学部長選挙・学部改築・学部改革・入学・卒業・学位授与に関する文書や,工業教員養成所関係写真などです。
特に,工業教員養成所については,現在まで一次資料がほとんど確認されておらず,卒業記念写真や卒業生個人,施設,授業風景などの写真が納められた2冊の写真アルバムは,工業教員養成所の状況を示すたいへん貴重な資料です。
工業教員養成所は,戦後高度経済成長期の真っ直中の1961〜69年に開設されていました。日本政府は,この時期にさらなる工業化を目指し,初級技術者養成のために工業高校の拡充を図りました。そのため,工業高校の工業科目担当教員の増員が必要となり,文部省が工業教員養成所を全国9大学に付設しました。 |
|
 |
工業教員養成所の授業風景 |
|
|
北海道大学には,1961(昭和36)年5月に電気工学科・機械工学科・工業化学科が設置されました。入学定員は各科40名,修業年限は3年,入学資格は高校卒業者でした。所長は工学部長が兼任し,多くの工学部教官が非常勤講師を務め,実験設備も工学部のものを利用していました。開所していた8年間に596人の卒業生を送り出しました。現在は,工学部建物(Q棟・R棟)東側のメインストリート沿いに「工業教員養成所記念碑」が立っています。 |
|
 |
工業教員養成所機械工学科
第1期生卒業記念(1964年) |
|
|
大学文書館では,今回移管を受けた306点の資料について,個人情報に十分留意し,大切に保管してまいります。
大学文書館では,常時,部局等の事務文書,研究室等の沿革関係資料,大学に関わる個人の資料など,大学の歴史に関わる文書・資料の収集・整理・保存を進めています。文書・資料等を廃棄する場合,または取り扱いにお困りの場合には,ご一報下さい。 |
|
(大学文書館) |
|