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教育学研究院 大塚教授が平成22年度温泉関連功労者として環境大臣表彰を受賞

 教育学研究院 大塚吉則教授が,平成22年度環境大臣表彰(温泉関連功労者)を受賞し,7月9日(金)環境省第1会議室にて表彰式が執り行われました。
 本賞は温泉の保護,温泉の採取等に伴い発生する可燃性天然ガスによる災害の防止及び温泉の適正利用に関し,特に顕著な功績のあった者に対して,その功績をたたえるために,昭和57年度から環境大臣が表彰を行っているもので,今回は第29回となります。受賞にあたって同氏の功績等を紹介します。

 
略 歴 等
教育学研究院 大塚吉則教授 昭和54年3月 北海道大学医学部医学科卒業
4月 医学部附属病院第1内科研修医
平成元年9月 医学博士(北海道大学)
アメリカ合衆国ニューヨーク市コーネル医科大学生化学教室研究員
平成3年4月 北海道大学医学部附属病院登別分院助手
10月 北海道大学医学部附属温泉治療研究施設講師
平成4年12月 北海道大学医学部附属温泉治療研究施設助教授
平成5年8月 ミュンヘン大学温泉治療研究施設客員教授
平成6年6月 北海道大学医学部リハビリテーション医学講座助教授
平成8年5月 北海道大学医学部加齢制御医学講座助教授
平成11年4月 北海道大学保健管理センター保健診療所助教授
平成18年4月 北海道大学大学院教育学研究科教授
平成19年4月 北海道大学大学院教育学研究院教授
 
 同氏は平成3年,登別分院・温泉治療研究施設に赴任したのをきっかけに温泉医学の研究を開始し,特に糖尿病をはじめとした代謝疾患を対象に,温泉を利用した治療に関する研究を継続して行っております。
 今まで経験則で行われてきた温泉水の飲泉療法に関する研究では,温泉水のインスリン分泌刺激作用を見出しました。また,入浴温度が糖尿病合併症に与える影響を検討し,42℃のような高温浴では酸化ストレスの増加,ポリオール代謝の活性化が生じることを示し,糖尿病治療への応用の一助となる功績がありました。
 さらに同氏は平成16年から特定非営利活動法人健康保養ネットワークを立ち上げ,温泉,森林,海洋などの自然環境を活用した健康づくり活動を開始し,北海道民のみならず,全国的にも住民の健康増進活動に携わっております。この活動実績が認められて,国家レベルの人材育成事業を受託するようになり,健康保養指導士等の育成にも力を注いでいます。
 温泉行政では北海道環境審議会温泉部会において平成8年から16年まで通算8年間にわたり委員を務め,温泉行政の推進に尽力するとともに,限られた資源である温泉の保護活動に貢献しました。
 学会関連では平成3年より19年にわたり日本温泉気候物理医学会に在籍し,内外の研究者と交流を深め,国際温泉気候医学会のアジア・オセアニア地区代表者として,日本への学術集会の誘致に貢献しております。
 今後この方面における第一人者として国際的にも益々の活躍が期待されています。
 
(教育学院・教育学研究院・教育学部)
 

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