部局ニュース

平成22年度北海道大学病院緩和ケア研修会を実施

 北海道大学病院では,7月10日(土),11日(日)の2日間にわたり,学術交流会館において,平成22年度北海道大学病院緩和ケア研修会を実施しました。
 この研修会は,本院ががん診療連携拠点病院の指定を受けていることに伴い,厚生労働省が定める指針に拠り,がん診療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修会を毎年定期的に実施することが義務づけられているもので,昨年に続き2回目の開催となります。
 本年4月診療報酬改定により,この研修を修了した医師が,定められた施設基準を満たした医療機関において緩和ケアを要する患者に対して必要な診療を行った場合に,1日につき400点を算定できるようになりました。そのためもあってか募集定員を超える参加申込があり,昨年度よりも多く医師・歯科医師28名,看護師・薬剤師等のコメディカルスタッフ14名の受講となりました。
 初日に,研修会主催責任者である福田諭病院長の挨拶に始まり,院内外から招へいしたファシリテーターの主導により,各セッションが進められていきました。
 この研修会は各セッションにディスカッションや,小グループに分かれて行うロールプレイ,グループ演習などがある非常に能動的な内容で,中でもこの研修をもっとも特徴付けるコミュニケーションロールプレイでは,医師・歯科医師・コメディカルスタッフを組み合わせたグループごとに,医師役・患者役・患者家族役などの役割分担をしてそれぞれの役を演じ,病気の告知をする医師,それを受ける患者を日常の職業とは違う立場からも演じることで,コミュニケーションの方法や難しさだけでなく,医師のプレッシャーや患者のショック・つらさなども理解することができ,それぞれの立場に対する相互理解が深まった様子でした。
 すべてのセッションの終了後,櫻木範明腫瘍センター長から,修了者へ修了証書が手交され,その後のふりかえりでは,多くの参加者から,この研修会で習得した知見を診療に活かしたい旨の発言が多く聞かれました。また,修了者へのアンケートでは,改善した方が良いと思われる点や,研修の難易度,理解度,「緩和ケア」という分野に対する意識などさまざまな意見が寄せられ,次年度以降の開催の参考とすることができました。
 がんに対する医療は日々進歩し,患者を取り巻く状況はますます多様になってきています。そのような状況の中でも,患者の身体とこころに生じるつらさを取り除き,患者が自分らしく生きていくためによりよい医療を提供できるよう,緩和ケアの普及と医療従事者の育成に取り組んでいきたいと考えています。
 
開催の辞を述べる福田病院長 事例検討の様子
開催の辞を述べる福田病院長 事例検討の様子
講義での質疑応答の様子 コミニュケーションロールプレイで
講義での質疑応答の様子 コミニュケーションロールプレイで
それぞれの役を演じる参加者
修了証書授与  
修了証書授与  
 
(北海道大学病院)
 

前のページへ 目次へ 次のページへ