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平成22年度に採択された大学改革に係る教育支援プログラムの紹介

○平成22年度文部科学省「産学連携による実践型人材育成事業」
 −専門人材の基盤的教育推進プログラム−(観光学高等研究センター)

 
 文部科学省「産学連携による実践型人材育成事業」−専門人材の基盤的教育推進プログラム−は,経済社会構造の変化等が急速に進む中にあって,今後成長が見込まれる分野等の人材ニーズに対応する観点から,専門学校・大学・短期大学・高等専門学校が産業界との連携により,これら分野の中堅技術者等として求められる知識・技能の育成を図るとともに,高度専門人材としての専門性の基礎を培う基盤的教育を進める取組の支援・推進を図ることを目的として今年度から実施されました。プロジェクトの実施期間は,交付決定日から平成23年3月31日までです。
 

事業名称 及び 実施年度

事業担当者 所属先・氏名等

「産業界等と連携した観光関連大学等の職業教育の評価・認定システム構築プロジェクト」(平成22年度)

観光学高等研究センター長
石 森 秀 三

 
 (採択事業の紹介)
 本プロジェクトは,大学等をはじめとする学界と産業界の連携により「観光関連大学等教育評価委員会」を組織し,学校種を超えた観光関連大学等(大学,短大,高専,専修学校,高校)の職業教育を評価分析するためのシステムを構築し,これにより,学生らの就職時において,観光関連産業が求める人材像と育成される学生能力のミスマッチを解消し,学生の就業力を高めつつ,観光を基軸にして国家繁栄を担う人材育成に向けた評価基準を構築するものです。
 我が国において,大学等における観光系の学部,学科を卒業した学生の観光産業への就職状況は,23%(旅行業8%,宿泊業7%,旅客鉄道業5%,その他観光業界3%:平成16年度〜18年度に実施した国土交通省調査)と低い。これは,調査主体である国土交通省における観光産業のとらえ方と大学等の学生の育成方針との関連も大きいと考えられます。観光関連大学等の育成方針は,観光産業を旅行業,宿泊業,運輸業という限定分野だけを念頭に置いておらず,交易,保養,学び,巡礼,コンベンションや観光など目的を問わず旅をして滞在するすべての事をツーリズムとして定義し,それに伴う,美容,健康,スポーツなど広範な業界に及ぶ教育を行っています。これら広義の観光関連産業界の求人ニーズと大学等教育機関における職業教育のマッチングを図りつつ,大学人としての知識教養と観光に関する知識・能力を備えた人材育成は,「観光立国」に取り組む我が国における国家戦略上も極めて重要な取り組みと考えています。
 本プロジェクトでは,広義の観光関連産業の大学等への期待とニーズを把握し,そのニーズ等と学生を育成する大学等の職業教育の特徴を評価・認定する基準を構築し,観光関連産業界へ周知するとともに,大学等のカリキュラム編成の見直しの場面において活用される指針を文部科学省高等教育局と連携しつつ構築するものです。
 
○平成22年度経済産業省「原子力人材育成プログラム(原子力総合技術プログラム)」
 (工学研究院)
 
 経済産業省「原子力人材育成プログラム(原子力総合技術プログラム)」は,大学等間のネットワークによる連携を通じた全体の底上げを目指す取組,教科書・演習の作成,教育研究炉・大学等間で連携した企業が有する訓練センター等を使った実習,原子力関連企業,研究機関,大学等でのインターンシップの取組,専門技術や経験を有するシニア人材活用等を支援することにより,大学等での原子力分野の人材育成に資することを目的としています。事業の実施期間は,事業の委託契約日から平成23年3月28日までです。
 

事業名称 及び 実施年度

事業担当者 所属先・氏名等

「大学と企業の研究設備を活用した炉心伝熱流動実習教育と教材作成」 (平成22年度)

工学研究院
教 授 奈良林 直

 
 (採択事業の紹介)
 本事業は,原子炉の安全上,最も重要な,限界熱流束や過渡時の沸騰遷移(BT)や核沸騰離脱(DNB),炉心損傷,冷却材喪失事故(LOCA),シビアアクシデントなどの炉心の伝熱流動に関する人材育成教育に力を入れている大学は極めて少ないため,この分野の人材育成を行うことにしました。
 本事業では,炉心の伝熱流動の専門家が居る北海道大学,早稲田大学,大阪大学が大学間ネットワークを形成し,@(株)東芝の研究所の沸騰水型原子炉(BWR)の炉心過渡伝熱試験ループを用いた炉心伝熱流動実習教育と,A北海道電力(株)原子力訓練センターが所有する加圧水型原子炉(PWR)の原子炉運転シミュレータを用いた炉心異常過渡現象や蒸気発生器細管破断時等の冷却材喪失事故時の炉心再冠水過程の学習を行います。
 さらに,北海道大学,早稲田大学,大阪大学が協力して,原子炉の伝熱流動の教材を作成し,講義で活用します。教材は,各大学の専門家が分担して作成し,講義のなかで改良を重ね,事業完了時に教科書として完成させ,全国の大学で活用できるように配慮します。
 
(学務部教務課)
 

 

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