グローバルCOEプログラム「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」
主催国際サマースクール2010を開催 |
6月19日(土)から7月1日(木)の13日間にわたり,北方生物圏フィールド科学センター厚岸臨海実験所及び札幌キャンパスを舞台に,グローバルCOEプログラム「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」主催による国際サマースクール2010を開催しました。本サマースクールの目的は,博士後期課程の大学院生に将来における国際的・学術的国際プロジェクトを牽引できるような研究者としての能力を身につけてもらうことにあり,昨年度に続き2回目の開催で,公募で選ばれた環境科学院及び農学院環境資源学専攻と世界16カ国の大学院生計21名が参加しました。今年度は,「生態系の連鎖的相互作用」をテーマに,陸域と海域生態系の相互関係や土地利用が下流域の生態系に及ぼす影響など,生態系間のつながりに焦点があてられました。本サマースクールでは,本学がこれまで整備してきたフィールド施設,長期的な生態系モニタリングや教育研究のサポート体制を最大限に活用し,フィールドでの調査観測技術の習得,参加者による各自の研究のポスター発表,研究課題・計画に関するトレーニングなどを行いました。具体的には,同臨海実験所周辺の別寒辺牛川流域に広がる森林や湿原,厚岸湖・厚岸湾を中心とした陸域・海域生態系のさまざまなテーマを対象としたフィールドセッションが行われ,参加者は各生態系においてどのような研究が行われているのか,その背景や調査・観測手法を学びました。また,グループに分かれて仮想の研究計画を立案する「プロポーザルトレーニング」行い,さまざまな国,研究領域の参加者が協力し,生態系間の連続性や相互作用に関連した独創性のある研究課題や作業仮説を構築し,共同研究の研究計画案を練り上げることを目指しました。その一環として,方法の検討や,予察的なデータを得るために,フィールド調査「グループプロジェクト」を2日間の日程で実施しました。各グループのテーマは,海の生物群集動態を扱うものから土地利用と河川水質の関係,さらには陸域生態系の変化が海域に及ぼす影響までと幅広く,全体的に挑戦的で興味深い内容になりました。最終日は,札幌キャンパスの遠友学舎でグループ発表を行い,参加者間で活発なディスカッション・相互評価が行われました。
参加者は本サマースクールを通し,英語でのグループ討論,発表・議論に慣れ,自身のスキルアップにつながったとともに研究者間の信頼関係が構築できました。この交流が今後も続き,将来のフィールド環境科学における国際的連携や共同研究の発展につながることが期待されます。 |
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小型実習船「えとぴりか」上で
湖底の生物を採取する参加者 |
グループメンバーが協力して
研究計画を立案 |
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(環境科学院・地球環境科学研究院) |
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