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札幌農学校第7期生 石川貞治関係資料の複写を大学文書館で
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 大学文書館では,札幌農学校第7期生石川貞治関係資料207点を,石川成昭氏から昨年5月18日(火)にご貸与いただき,同11月にかけて資料の複写を作成しました。石川成昭氏は石川貞治のご曾孫に当たられます。
 石川貞治(1864−1932)は,島根県浜田市で生まれ,岡山県の小学校を卒業後,各地の小学校教員など経て,1884(明治17)年札幌農学校に入学しました。札幌農学校では地理学に深い関心を示して学び,北海道の地理・地勢に関する英文卒業論文を提出して,1888(明治21)年に第7期生として卒業しました。卒業後は北海道庁の技術者として主に地理課に勤務し,1892〜1896年には札幌農学校助教授として地質学を教授しました。その後,拓殖務省技師などを経て,民間の鉱山・炭鉱・油田等の調査・開発に関わりました。

 
石川貞治
石川貞治
 
 この度,複写を作成した資料は,小学校卒業以来の証書・辞令,地質学・地理学等の調査に関する地図・報告書,写真,書簡,文書などです。鉱山・油田等の調査に関する手書き地図や書き込み地図等は,北海道・サハリン・台湾・沿海州など広範な地域に及び,その活動の広さを示しています。また,海軍から極秘調査の委嘱を受けたことを示す文書なども含まれています。資料からも,石川貞治がひときわ個性的な業績を残した札幌農学校卒業生であることが判ります。
 
北サハリン円山油田附近地質図(1917年)
北サハリン円山油田附近地質図(1917年)
 
 大学文書館では,これら複写資料を学術資料として閲覧利用に供すると共に,展示等で紹介していく予定です。また,こうした大学関係資料に関する情報等がありましたら,大学文書館へご一報下さい。
 
(大学文書館)
 

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