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工学系教育研究センター「海外インターンシップ体験報告会」を開催

 工学系教育研究センター(CEED)における,創造的・実践的人材育成を支援する教育プログラムのうち,海外インターンシップ派遣教育プログラムは,基礎学術と産業社会の関係,広範囲な技術分野への対応性,国際的な場での活動能力,リーダーシップやコミュニケーション能力の重要性を学ばせる中核となる教育事業に位置付けています。
 このため,本センターでは海外インターンシップ派遣教育プログラムに参加した学生には帰国後に体験発表をさせることにしており,平成22年度は,10月6日(水),12月10日(金)並びに12月14日(火)の3回に亘り「海外インターンシップ体験報告会」を開催しました。平成23年度の海外インターンシップ派遣教育プログラムにチャレンジする学部学生も多数参加し盛況でした。平成22度の海外インターンシップ研修生の派遣先(平成23年1月末現在)は,44名中12名が企業,29名が大学,3名がその他の公的研究機関であり,平均研修期間は2ヵ月(平成22年度実績)でした。各派遣学生の研究テーマは,実験,解析・計算,ソフト作成,調査,試作・評価など多岐にわたっています。

 
海外インターンシップ体験報告会の様子 海外インターンシップ体験報告会の様子
海外インターンシップ体験報告会の様子
 
 一方,海外でのプロジェクト型インターンシップを体験した学生の派遣前後における異文化理解,問題把握発見能力,チャレンジ精神などの12項目の資質に関して,派遣前では83%の学生が「平均的」以下であったのが,派遣後には72%の学生が「やや優れている」や「かなり優れている」などへの著しい資質向上が認められています(図−1参照)。
 平成17年に設立されたCEEDは,その第1期5ヵ年計画が終了しましたが,この海外インターンシップ派遣の教育効果が極めて高いことを踏まえ,平成22年度より「国際インターンシップの拠点を造り,インターンシップ教育の恒常化による人材の国際流動性を向上させる」第2期6ヵ年の教育事業に着手しました。第2期の平成27年度における達成目標は,毎年100名以上を海外へ派遣し,毎年100名以上を海外から受入れることとしています。その取組においてCEEDの海外インターンシップ交流が大学にもたらす利点等を検討したので以下に紹介します。
 
 
 
12の自己評価項目
 
@学問的知識を実際問題へ活用する能力
A決断力,判断力,優先度決定力
B新しい経験へのチャレンジ精神
C解らないことを質問し,教えを請う態度
D問題を理解・把握し,又は問題を見出す力
E他の人と連携協力して計画・実行する態度
F創造性,新アイデアを生み出す力
G専門分野での技量・技能 
H忍耐力,向a上心
I英語実践力 
J異文化理解,外国での行動・生活感覚 
K積極性,リーダーシップ
 
図−1 海外インターンシップ派遣の教育効果(2008年度と2009年度の派遣学生22名)
 
 
 検討に先立ち,第1期と第2期初年度の6年間の海外インターンシップ交流実績を派遣と受入れの双方についてまとめた結果を図−2に示します。その結果,派遣及び受入に関して順調に拡大できる見通しを得ています。
 
 
図−2 海外インターンシップ派遣と受入人数の経緯(平成17年〜平成22年)
 
 
 またそれらの内容については,平成17年4月のCEED発足以来,海外へ派遣した学生総数は6年間で30カ国169名,受入れ学生数は32カ国185名に達しており,世界の各地域との相互交流状況を図−3に示します。その結果,派遣と受入の総数は概ねバランスしているものの,地域によってアンバランスがみられます。
 
 
図−3 海外インターンシップ派遣及び受入実績(平成17年度〜平成22年度)
 
 
 このため,第1期の5ヵ年と最近の2ヵ年について世界の派遣先を地域別にまとめた結果を図−4に示します。図−4の過去5年間の派遣実績では75%が欧米志向でありました。そのため,21世紀の産業社会におけるアジア地域の重要性を学生に認識させた結果,最近の2年間では訪米とその他の地域がそれぞれ50%となってきています。
 
 
図−4 工学系の海外インターンシップ派遣先の推移
 
 
 同様に海外からのインターンシップ受入に関する地域別の割合をまとめた結果を,平成20年度の工学系部局が受入れた留学生の地域別データと共に図−5に示します。その結果,留学生の派遣元地域は80%以上がアジア圏(その大部分が中国)であるが,インターンシップ研修生の派遣元地域は幅広い結果となっております。この主な要因は,「留学までは考えない日本の科学技術や文化への憧憬」に加えて「姉妹校に限らず応募が可能」であることと思われます。
 
 
図−5 留学生とインターンシップ研修生の派遣元地域の比較
 
 
 以上により,工学系部局では「インターンシップから博士課程留学への展開」,「インターンシップ交流から研究交流への展開と大学間交流協定締結への展開」,「受入側北大生に対する教育効果(勉学意欲・国際意識向上)」などの北大としての利点を念頭に国際拠点形成を進めることにしています。
 
 
(工学院・工学研究院・工学部)
 

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