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大学文書館第1回企画展示「台湾に渡った北大卒業生たち」を開催

 大学文書館では1月20日(木)から,附属図書館北方資料室の前室を会場として,第1回企画展示「台湾に渡った北大卒業生たち」を開始しました。
 戦前の北大は,日本の台湾植民地統治に深く関わりました。新渡戸稲造が,日本の台湾植民地統治・経営に大きな役割を果たしたことはよく知られています。しかし,台湾に渡った北大卒業生の多くは,台湾総督府の農政実務者,農事試験場技師,台北帝国大学等の教員として植民地統治を下支えする役回りを担いました。彼らのもたらした技術や学術は,第一義的に植民地統治を目的としていました。その一方で,技術・学術が有する普遍的価値ゆえに,台湾の人々がその成果を取り込んで台湾の社会・産業・文化の形成に役立てたという側面も見られます。この企画展示では,こうした北大卒業生たちの担った多面的な歴史的役割を考えてみたいと思います。
 第T期の今回は,「統治・経営と農業経済学」をテーマとし,初期渡台者と農業経済学を学んだ卒業生を取り上げます。彼らは台湾統治・経営にどのような形で関わったのでしょうか。取り上げる人物は,柳本通義(札幌農学校第1期生),新渡戸稲造(第2期生),横山壮次郎,藤根吉春,長崎常(以上第8期生),十川嘉太郎(工学科第2期生),東郷實(第22期生),色部米作(第23期生)です。展示資料は,札幌農学校簿書,高岡熊雄関係資料(以上,大学文書館蔵),台湾総督府文書(国史館台湾文献館蔵,複製)などです。
 第T期の展示期間は,3月18日(金)までです。引き続き,第U期,第V期を順次,開催します。
 本企画展示を通じ,多くの皆さまに北海道大学の歴史,そして台湾に対して,改めて関心を向けていただければと思います。

 
台湾恒春のガジュマルの前にて(1915年)
展示風景
展示風景
台湾恒春のガジュマルの前にて(1915年)  
 
 
(大学文書館)
 

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