|
名誉教授佐藤 修氏は平成23年1月7日,85歳で逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。
同氏は大正14年6月11日愛知県に生まれ,昭和23年3月北海道大学理学部物理学科を卒業され,同年6月北海道大学理学部副手,同24年3月理学部助手,同28年4月水産学部講師,同34年9月水産学部助教授,同49年4月水産学部教授,同60年4月水産学部長,大学院水産科学研究科長を経て,平成元年3月停年により退官され,同年4月北海道大学名誉教授の称号を授与されました。退官後は,平成2年4月から同9年3月まで財団法人テクノポリス函館技術振興協会副理事長および北海道立工業技術センター長として勤務されました。
この間,同氏は長年にわたって水産工学分野,漁具工学分野の教育,研究に務められました。
漁具の流体力学的解析研究では,各種漁具の流体力諸特性について解析し,漁具工学の理論的体系化に大きく寄与されました。人工魚礁に関する研究では構造力学的および流体力学的実験と理論的解析を行い,人工魚礁の物理学的諸特性を明らかにし,日本を始め世界における人工魚礁による漁場造成事業を積極的に推進するための主導的な役割を演じ,その基本的考え方は世界的に注目され高く評価されております。養殖施設に関する研究では,増養殖施設に作用する流体力の算定および施設の設計理論を確立して,日本の沿岸域における魚類養殖,ホタテガイ養殖,コンブ養殖などの基盤作りに多大な貢献をされ,日本および世界の漁業生産技術の発展,沿岸漁場生産の拡大,安定生産に多大なる貢献をなされました。
学会活動においては,日本水産学会シンポジウム企画委員,同支部長,評議員,理事を歴任して学会の発展と学術の進展に大いに寄与されました。また,農業土木学会水産土木研究会の設立時から運営委員としてこの会に参画し,現在の日本水産工学会設立のために大いに尽力し,平成12年には同学会名誉会員に推挙され学術の発展に寄与されました。
地域社会活動としては,北海道科学技術審議会委員,青函インターブロック交流園構想推進協議会委員,財団法人テクノポリス函館技術振興協議会理事,青函地域総合整備計画検討委員会委員長,北海道津軽海峡地域マリノベーション構想推進協議会委員長,海中空間利用研究会委員長などを勤められ,地域の文化,産業の振興に著しく貢献されました。また,水産庁の沿岸漁場整備開発事業中央検討委員,北海道釧路海域マリノベーション構想推進協議会委員長,水産庁特定地域沿岸漁場開発調査中央検討委員および同北海道地域委員長などを歴任され沿岸漁業の振興と発展に大いに寄与されました。さらに,財団法人テクノポリス函館技術振興会副理事長,北海道立工業技術センター長として地域の産業の振興に尽力されました。
また,北海道大学にあっては昭和50年4月から北海道大学評議員として,さらに同60年4月から平成元年3月まで北海道大学水産学部長および北海道大学大学院水産科学研究科長として大学運営の枢機に参加するとともに学部ならびに大学の運営,整備充実に尽力されました。また,国際的な学術交流に努力,世界各国から多数の留学生を積極的に受け入れ,国際的視野に立って学部・大学院教育を進められました。
漁場造成等の増養殖事業の振興に対する寄与および北海道大学水産学部における数多くの優秀な人材の育成,国際的な学術交流に尽力されるなど函館市の教育および文化の向上,人材の育成に大きく貢献したことから,平成元年11月には函館市文化賞(自然科学)を受賞されました。
平成15年4月には長年にわたる教育・研究等への功績により、勲二等瑞宝章を受章されました。
以上のように,同氏は長きにわたり北海道大学にあっては教育,研究に尽力され北海道大学の発展は勿論のこと,学界における学術の進展並びに地域の産業の振興,さらには日本の水産業の発展に多大の貢献をなされました。
ここに謹んで同氏の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
(水産科学院・水産科学研究院・水産学部)
|