総合博物館では,4月9日(土)に植物・山岳写真家の梅沢 俊氏を講師に迎え,土曜市民セミナー「何が出る豊平川の花見かな」を開催しました。
梅沢氏は,昭和44(1969)年に本学農学部農業生物学科(昆虫)を卒業され,その後フリーの立場で北海道の野生植物を中心に写真撮影・執筆活動を続けている植物写真の第一人者であり,『新北海道の花』(北大出版会)他多数の著書があります。北海道の植物はほとんど網羅し,学術的にも評価されており,平成18年には第14回松下幸之助花の万博記念奨励賞を受賞しています。
講演では,スライド写真を使って,豊平川が合流する石狩川河口の石狩浜から豊平川上流の高山帯まで豊平川流域で見られる植物について,撮影にまつわるエピソードを交えて,それらの特徴や見所などをお話しいただきました。
「石狩川との合流点にある沼では食虫植物のオオタヌキモ(タヌキモ科)とヒンジモ(ウキクサ科)が見られ,後者が札幌近郊で見られるのはここだけである。ヒラギシスゲ・モイワラン・モイワナズナ・ヤマハナソウなど札幌の地名がついた植物が結構あり,後2者は豊平川沿いの岩場に多い。真駒内付近では,豊平川の右岸と左岸では植物相に違いがあり,また,真駒内にはナス科のビロードホオズキという帰化植物が普通に見られるが,道内の他の地域ではほとんど見られない。なぜなのだろう?八剣山と定山渓天狗岳は岩山で,エゾミセバヤ(ゴケンミセバヤ)・ナヨシダ・ホテイアツモリ・タイツリオウギ・テンググンバイ・エゾグンナイフウロなどの他の地域では見ることの難しい植物愛好家にとって面白い植物や珍しい植物が見られる。無意根山や余市岳ではスケールの大きなお花畑が見られ,チングルマが大群落を作り,エゾツガザクラの純粋種や普通大雪山でしか見られないジンヨウキスミレも分布している。」
以上のような興味深いお話を沢山伺うことができ,立ち席者も含め150名ほど(今までの最高人数)の超満員の皆さんは「うめしゅん」の素晴らしい写真と軽妙な語り口に酔った80分でした。
本土曜市民セミナーは,3月8日(火)〜5月29日(日)の間,総合博物館3階において開催の企画展示「豊平川と私たち−その生いたちと自然−」の関連イベントの一つとして開催されました。本展示も大変ご好評いただき,たくさんの方にご来場いただいています。 |
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| 「土曜市民セミナー」開催一覧(2011年度前期) |
| 毎月第2土曜日 午後1時30分より,会場:総合博物館1階「知の交流」コーナー |
| 日 程 |
タ イ ト ル |
講 師 |
| 6月11日(土) |
昆虫の起源と初期進化 多様性を生み出した原動力 |
農学研究院 准教授 吉澤和徳 |
| 7月9日(土) |
葉に潜る昆虫−ホソガ科 |
元・農学部 教授 久万田敏夫 |
| 8月13日(土) |
世界の蝶の地理分布−展示解説を主体に |
日本鱗翅学会会員 青山慎一 |
| 9月10日(土) |
花と昆虫の利害関係 |
総合博物館資料部研究員 稲荷尚記 |
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| (総合博物館) |
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