工学部では,11月24日(木)午後1時より,アカデミックラウンジ2において,神戸市職員の西 修氏をお招きしてクロスロード講習会を開催し,60名を超える方々が参加しました。
「クロスロード」とは,交差点という意味が示すとおり「人生の岐路」「分かれ道」のような様々なジレンマと向き合わなければならなくなったときのために,自分の考えをYES/NOカードを出し合い意見交換することにより,多様な考え方に触れることで意志決定力を高めることを目的とした,ゲーム形式で行う防災教育の実践方法のひとつです。
講習会参加者は,西氏の説明を受けながら,5名ずつのチームに分かれゲームを行いました。このゲームが作られる発端となった阪神淡路大震災で実際に起きた事例である「大災害で被災しても出勤しますか?」「人数分用意のできない緊急食料を配りますか?」などの問題が出され,西氏の号令に合わせ,YES/NOカードを裏返して答えを見せ合うたび,会場には歓声が上がりました。
クロスロードゲームを体験した後,このゲームの強みと弱みについてグループの中で意見を出し合い,強みには「軽い気持ちで意見が言える」「深く考えられる」「楽しみながらできる」などが,弱みには「結論がないことに戸惑う」「相手の意見を聞いてしまって悩む」などの意見が上げられていました。
その後,各グループでクロスロードゲームの問題を作る作業を行いました。参加者は,自分たちが体験してきたジレンマを出し合い,一所懸命に問題作成へ取り組んでいました。作られた問題は,「講義の直前に自転車置き場へ行ってみると,自分の自転車が数台の自転車と一緒に倒れています。それらを直しますか,それとも自分の自転車だけを取り講義へ向いますか?」「電車に乗っている時,そばにお年寄りが立っているのに優先席に座り大声で話をしている人がいます。その人に注意をしますか?」等があり,自分たちが作った問題でもクロスロードゲームを行いました。
講習会の中では,西氏が阪神淡路大震災で実際に体験したエピソードや,これまでに作られたクロスロードゲームの問題も紹介され,参加者は様々な現場で起きていることや,そこに立ち向かっている人々の考え方について知る機会を得ることができました。
工学部安全衛生管理室では,今回クロスロードゲームの進め方について学ぶ機会を得ましたので,今後は安全や防災のための教育教材としてこのゲームを活用し,独自にこのような形式の学びの場を提供していくように検討していきたいと考えています。
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クロスロードゲームを体験する参加者 |
問題を発表している様子 |
(工学院・工学研究院・工学部)
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