4月9日(月),大学文書館では,上田茂穂氏(文学部哲学科1960年卒業)から,在学中の1955〜56年に撮影した写真39点をご寄贈いただきました。ご寄贈に際しては,北野隆志氏(文学研究科1958年修了)にご仲介いただきました。
受贈資料は,当時としては珍しい,非常に鮮明なカラー写真です。当時の大学キャンパスや札幌市街などの雰囲気,空気感をよく伝えています。上田茂穂氏は,当時,45,000円の50mm標準レンズ付きキヤノン・カメラ,22,000円の100mm望遠レンズ,まだ珍しかった国産リバーサルフィルムで撮影されたそうです。また,「全てが珍しい札幌で,ついつい勉強を忘れて写真を撮っていましたが,結果として追試追試の学生時代でした。」と回想されています。
北海道大学・小樽商科大学の応援団の対面式の写真には,札幌駅前や三越デパートで学生服を着た大勢の北大生がストームをする様子や,駅前通の行進,大通公園での演舞などが記録されています。大学キャンパスの写真は,土塀と正門,農学部西側に敷かれていた暖房用石炭搬入用引き込み線の線路上で遊ぶ子どもたち,旧医学部建物と中庭,旧低温科学研究所とメインストリート,まだイチョウの木の背が低い北13条門通りなどです。60年後の現在と比較すると,全く様変わりしたところもあり,また,当時の情景そのままの場所もあります。
1950年代の大学,特に学生の様子を撮影した写真は非常に貴重です。大学文書館で大切に保存し,有効に活用してまいります。