部局ニュース

3研究所合同で一般公開を開催

 北大祭期間中の6月9日(土),低温科学研究所,電子科学研究所,遺伝子病制御研究所では,これまでにない新たな試みとして3研究所合同で一般公開を開催しました。
 たくさんの来場者で賑わいを見せた各会場の様子を報告します。

低温科学研究所

 6月9日(土)に低温科学研究所において,一般公開を開催しました。本研究所では従前より8月上旬のオープンキャンパスに参加し,市民向けに一般公開を行っていましたが,今回から,より多くの方々に低温科学研究所を知っていただくために大学祭期間中に実施したものです。当日はあいにくの曇り空でしたが,受付での集計では来場者数465名を数え,初めての開催であったものの開始直後から多くの市民の方々にお越しいただきました。
 一般公開では,「実験・体験コーナー」「展示・実験コーナー」のほか,大学祭で実施しているスタンプラリーにも参加し,小さなお子さんでも体験できるものから大学生に焦点を合わせた比較的高度な実験,日頃体験できない−50℃の南極疑似体験まで幅広くとりそろえ,合計12のコーナーを設置しました。特に各種実験コーナーではお子さんを連れたお母さん,お父さんにも熱心に取り組んでいただき,また年配の方々からも最新の研究について質問がなされる等,各ブースは大盛況でした。
 初めての試みであり,想像をしながら準備を進めてきましたが,お子さんの笑顔や一般の方々の喜ぶ姿を見ると,この一般公開を実施した教職員も,また来年もやってみよう,良い研究を行おうという気持ちになり,市民の方々から元気をもらった非常に有意義な公開となりました。また,アンケート結果においても好評を得ており,来年度は要望を取り入れながら,よりよい公開を実施していきたいと考えていますので,皆様方のご協力をお願いするとともに,ご来場いただいた一般市民の方々,関係者の皆様にお礼申し上げます。

模型とパネルを使っての研究紹介

模型とパネルを使っての研究紹介

防寒着を着て,これから南極疑似体験の旅

防寒着を着て,これから南極疑似体験の旅

電子科学研究所

 恒例の電子科学研究所の一般公開を,北大祭期間中の6月9日(土)に,電子科学研究所新棟(北キャンパス総合研究棟5号館)で行いました。受付での集計で来場者数が1,032名と,実に多くの市民の方々が訪れました。特に家族連れが多く,小さな子供を連れたお母さんやお父さんの姿が目立ちました。
 一般公開では,子供から大人まで楽しめる体験型の展示やサイエンストーク(市民講座)を行い,昨年に引き続き創成研究機構も参加しました。体験型の展示は,光・物質・生き物・計算・環境という5つのテーマに関する電子科学研究所の14展示に加え,創成研究機構による1展示が行われました。来場者からは「子供たちが楽しそうで科学を好きになるキッカケになりそうですね」といった嬉しいご意見をいただきました。サイエンストークは,午前に創成研究機構による宇宙の話1件と,午後に電子科学研究所による脳の話2件が行われました。
 北大祭で賑わう中央キャンパスから少し離れた北キャンパスで一般公開を行うに当り,昨年に引き続きベロタクシー(自転車タクシー)を4台,北18条門から電子科学研究所新棟まで無料運行し,往復合わせて延べ704名がベロタクシーを利用しました。
 また,昨年に引き続き,札幌市教育委員会の後援をいただきました。小樽市,江別市,石狩市,北広島市,恵庭市の教育委員会にもご協力いただき,総計500を超える学校にポスターを事前配付しました。北大祭とも連携して,北大祭のパンフレットやウェブにも掲載したほか,北大祭のスタンプラリーにも参加しました。初の試みとなった3研究所一般公開の合同開催については「北大祭と一緒に楽しめて良い企画だと思う」といったご意見をいただきました。
 会場の玄関前は,終日,シャボン玉遊びをする子供で賑わい,研究の紹介の枠を超えて,研究所と市民が一体となった一日となりました。

光と色の化学実験に見入る参加者

光と色の化学実験に見入る参加者

ベロタクシーを待つ列

ベロタクシーを待つ列

遺伝子病制御研究所

 遺伝子病制御研究所(IGM: Institute for Genetic Medicine)は,北大祭の開催に合わせ6月9日(土)に市民向け一般公開を行いました。初の試みでしたのでどれくらいの来場者があるのか少々不安でしたが,当日は小さい子供から年配の方まで200名近い方々にお越しいただき,盛況でした。また,研究所の教員,学生を中心として50名を超えるボランティアが活躍してくれました。
 内容としては,各研究室の研究内容をパネルで紹介し,簡単な実験体験,顕微鏡観察のコーナーを設けました。講演会として3名の教授が登壇し,免疫や幹細胞に関するサイエンストークを行いました。また,希望者には実際の研究室をご覧いただき,詳細に研究内容について説明しました。各研究室では,小さいお子さんが白衣を着て写真を撮る様子や,高校生らしい女子生徒さんが熱心に質問している光景などが数多く見られました。来場者からは,「生命科学に興味がわいた」,「いろいろな病気の克服のために頑張って研究してください」など,温かいコメントが寄せられました。
 初めての試みであり,また準備期間が短かったこともあり,十分な内容に至っていなかったかもしれませんが,問題点を改善し来年以降も同様のイベントを行っていきたいと考えています。関係者の皆様のご支援をよろしくお願いします。

パネルを使っての研究紹介

パネルを使っての研究紹介

高岡晃教教授によるサイエンストーク

高岡晃教教授によるサイエンストーク

(低温科学研究所,電子科学研究所,遺伝子病制御研究所)

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