8月2日(木),大学文書館では,札幌農学校第24期生高松正信旧蔵資料205点を,ご令息の高松信夫氏よりご寄贈いただきました。
高松正信(1884-1974)は,麻生中学校卒業後,1901年札幌農学校予修科に入学,1903年本科へ進学して畜産学を専攻しました。1907年には卒業論文「牛酪鑑定論」を提出し,札幌農学校第24期生(農学校最後の卒業組)として卒業しました。卒業後,大学に昇格した母校で助手となり,ドイツ留学を経て助教授・教授と昇任しました。大学では馬学を専門とする畜産学第二講座を担当して,馬匹改良に関する研究を行ない,輸入馬の改良による日本に適した馬の作出に携わりました。学生主事・学生部長や評議員も務め,1947年に退職されました。
この度,受贈した資料は,(1)写真202点,(2)文書3点です。(1)は明治後期〜戦前期にかけての古写真,1955年頃のキャンパス写真などです。畜産学教室員,学生・卒業生の肖像・群像,カーライル研究会,札幌農学校遊戯会優勝記念,文武会体育系部の優勝記念,恵迪寮祭などの写真で,いずれも北大の歴史を物語る逸品です。(2)には,1937年第4代総長を決める選挙の際の手元文書があり,各候補者の投票数が書き込まれています。さらに,1903年4月6日,札幌農学校予修科生徒が同盟して予科教官の辞職勧告をした際の「辞職勧告書」の筆写文書があります。これまで生徒の回想でしかその内容を知ることができなかった歴史的出来事が,この筆写文書により初めて明らかになります。
今後,大学文書館では,受贈資料を整理し,大学沿革史資料として保管・活用してまいります。