7月17日(火),大学文書館では,日下大器氏(農学部農業生物学科1962年卒業)より,1950年代後半〜1960年代の学生の在学に関連する資料14点をご寄贈いただきました。
日下大器氏は1958年北海道大学に入学,農学部に進学して植物病理学を専攻されました。卒業後,製薬会社に就職し,1972年には「新抗生物質アリステロマイシンの発見ならびにその応用に関する研究」で農学博士の学位を取得されています。現在は,一般社団法人北海道大学関西エルム会代表理事を務められているほか,以前からご夫妻でスリランカの紹介と教育支援に取り組まれています。
ご寄贈いただいた資料は,入学許可書,教養部の学修簿,授業料領収証書,体育会の入会案内,教養部自治会の挨拶文,1958年入学教養部理類12組文芸集『アゴラ』などです。
戦後期の学生の在学資料は,ご本人にとっては日常的で身近なものであるため,歴史的な価値を意識されにくい場合が多く,案外,残りづらい資料です。しかし,例えば,この度ご寄贈いただいた授業料領収証書は,当時の授業料納付方法を目に見える形で示す歴史的資料です。振り込みによる納付方法が一般化した現在にはない,対面で学生と大学職員が遣り取りする様子を彷彿とさせます。体育会入会案内からは当時の学生文化の雰囲気を垣間見ることができます。クラス文芸誌には,現在とは異なる学生と教員の関係や,当時の学生の社会観・大学観があらわれています。
大学文書館では,受贈資料を大切に保管し,一時代の大学と学生の様子を示す資料として,展示等で利用・紹介してまいります。また,今後も戦後の大学・学生関係資料について積極的な収集を行っていきます。