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大学文書館で農学実科卒業生村上貞関係資料を受贈

 9月12日(水),大学文書館では,村上明子氏より,ご尊父の村上 貞氏の関係資料を1箱受贈しました。
 村上 貞(1903-1958)は,1921(大正10)年札幌第二中学校を卒業し,栗山尋常高等小学校で代用教員・准訓導として勤務して妹たちを上級学校へと進学させた後,北海道帝国大学農学実科に入学しました。
 1926年農学実科を卒業後,村上 貞は北海道庁技手となり,北海道農事試験場に1946(昭和21)年まで務めました。根室支場,北見支場,紋別重粘地試験地,幸震甜菜試験地などの新設とともに現地へ赴任し,各支場・試験地の整備・拡充に尽力しました。その後,その手腕を請われて,三井近海機船株式会社の長万部町共成農場(1946〜47年),北海道農業会の北見支部(1947年)等でも農業技術指導にあたりました。1949年には農林省十勝馬鈴薯原原種農場長に就任し,逝去するまで,道東地方に馬鈴薯原原種を供給する重責を担いました。
 この度,受贈した資料は,(1)証書類(北九条小学校〜北海道帝国大学農学実科修業証書),(2)辞令類,(3)履歴書,(4)手稿(十勝馬鈴薯原原種農場練習生入場式),(5)勲章(勲五等瑞宝章・略綬)・徽章(農林省職員),(6)受講ノート,(7)写真帖(農学実科卒業記念等)・写真類など179点です。
 受講ノートは,農学実科生徒の頃のもので,13科目(化学,応用菌学,農具学,物理学,植物学,動物学,養蚕学,昆虫学など)の講義内容が,配付された図版などのプリントとともに,3冊に製本されています。農学実科での講義を熱心に受けていた姿が,その精緻な筆致により浮かび上がります。
 大学文書館では,受贈資料を大切に保管し,展示等により活用してまいります。
植物学受講ノート(エンレイソウについて)

植物学受講ノート(エンレイソウについて)

 
  収穫物をほおばる農学実科生徒たち(1925年頃)

収穫物をほおばる農学実科生徒たち(1925年頃)

(大学文書館)

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